埼玉県の中学受験について|近年の受験動向と受験のポイント
更新日:2024/06/28私立の中学入試は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県のエリアごとで入試日程が異なります。お子さまの志望校の受験日程を確認し、適切な準備を進めていきましょう。
※2024年1・2月の入試を「2024年度」、2023年1・2月の入試を「2023年度」と表記しています
目次
埼玉県の中学入試は1月からスタート
埼玉県内の私立中は、1月10日から一般入試が始まります。例年、埼玉入試は東京を中心に近隣からの受験生が多いですが、2024度はさらに増加しました。東京在住の受験生は埼玉の中学校を練習として1校受験するという形が多かったですが、近年はチャレンジ校だけでなく安全校も考えて複数校受験する生徒が増えてきています。
埼玉エリアの入試日程を知ろう
埼玉エリアの各学校の入試日は、1月10日から1週間程度をメインとして設定されていますが、一部の学校では2月まで複数回入試を導入しています。2月1日開始の東京都の学校を併願すると、1か月近くにわたる長期戦です。そのため、第一志望の入試でお子さまのモチベーションをベストな状態にもっていけるように、併願校の受験日程を組む必要があります。
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近年の埼玉県の中学受験の動向
2024年度入試では、東京・神奈川・千葉が軒並み減少しているなかで、埼玉県内私立中入試ののべ受験者数は10,000名近く増えました。これは開智所沢中の新規開校や淑徳与野中の医進コース新設によるものが大きく、この2校だけで5,500名以上増加しています。また、受験生1名当たりの受験校数の増加も1つの要因と考えられます。
受験生が増加した分合格者も多くなり、実質倍率は1.7倍とほぼ横ばいになっています。
埼玉では1月10日~12日に入試が集中しますが、2科受験など少ない科目で受験できる入試、午後に設定された入試、適性検査型入試や多様な形態の入試など、近年、東京の学校で増えている新タイプ入試が目立ち始めました。埼玉栄中の1月10日午後入試(医学クラス・難関大クラス)では男女合計で1,190⇒1,498名と、昨年度に引き続き受験者が大きく増加しています。合否が当日に発表されることもあり、早期に合格を確保しておきたいというニーズは大きかったと思われます。
開智所沢中は、1月10日の第1回入試では、新設校ながら2,154名の受験生を集めました。同じ開智学園の開智中と同時出願ができ、受験料も出願校数に関わらず同額で、更に試験会場も埼玉県内で複数設置されていた結果とみられます。
埼玉の女子校は浦和明の星女子中、淑徳与野中、大妻嵐山中の3校があります。難易度、交通のアクセスのしやすさから、浦和明の星女子中、淑徳与野中は近隣の都県からの高学力層の受験生も多く受験します。淑徳与野中は第1回入試で新設された医進コース、特進コース合計で受験者数が1,560名となり、高難度が予想された割に多くの受験生が集まりました。
男子校は3校あり、最も人数を集めるのが立教新座中です。応募数100名に対し1,680名が受験し、合格者742名を出しました。同校は8割以上が立教大学に進学するので、近隣都県からの受験者も多く、東京入試の終了後に繰り上げ合格を出すこともあります。
埼玉の公立中高一貫校は県立が1校、さいたま市立が2校、川口市立が1校あります。2024年度の受検者数は2,905⇒2,960名と増加しました。倍率は軒並み4倍以上、中でも市立浦和中の女子は8.7倍です。東京・神奈川・千葉の公立中高一貫校では受検生が減っている中、埼玉県では受検を選択するご家庭の割合が増加しているといえます。
埼玉の公立中高一貫校は一次・二次選抜を行います。私立入試開始直後の1月14日に一次選抜があり、1月21日の二次選抜で合格が決まります。市立大宮国際中のみ一次選抜が15日にあるため、さいたま市在住の受検生は市立浦和中・大宮国際中の両方を受けることができます。ただし、二次選抜は同日の実施なので、2校とも一次選考を通過した場合はいずれかを選ぶことになります。
埼玉県の中学受験のポイント
埼玉エリアでは、1月10日または11日に1回目の入試回が設定されていますが、この日程には、東京や神奈川・千葉など首都圏の受験生が事前準備や力試しのために受験するため、地元の受験生の合格は簡単とはいえません。しかし、各校とも複数回の入試があり、後半の入試回では他のエリアからの受験生が減ることもあるので、合格の確率は高まります。
また埼玉エリアの入試は、いきなり第一志望校の入試で始まることも少なくありません。2月1日以降の東京都内の入試で合格できるような併願プランも検討してみましょう。
埼玉エリアの中学受験の注意点
一都三県でいちばん早く始まる埼玉県の私立は、志願倍率が大変な数字になります。資料を見るとこれでは合格のチャンスなどないとあきらめてしまいそうですが、注目すべき数字は実質倍率で、ほとんど1〜2倍台となっています。
ただし、すべてがこれにあてはまるわけではなく、特待選抜などは実際に5倍を超えるケースもあります。受験校を選ぶ際、塾の先生などと相談して実態を把握することが大切です。
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新しい動きをキャッチしよう
受験を成功に導くには、学校選びの軸をしっかり決めること、情報を集めることが必要です。新設校や新コースの設置、入試日程・回数・科目の増減などは、どのエリアでも毎年必ずあり、それにより数年間にわたって受験倍率に影響が出ることもあります。受験を視野に入れているエリアや学校での大きな変更は、次年度以降の受験にも影響するかもしれませんので、受験学年以外の方もチェックするようにしてください。
また近年、新しい時代を意識した学校が増え、「グローバル人材」の育成や「学力の3要素」(①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)の養成に力を入れた新しいタイプのコースが続々登場し、注目を集めています。特にさいたま市は、小学校から継続するカリキュラム「グローバルスタディ」を実施しており、英語学習への意識が高い地域です。市立大宮国際中は海外大学への進学を視野に入れた能力開発型のプログラムを導入しています。市立浦和中では適性検査の問題文に英語を導入し、英語によるスピーチを実施しました。入念な対策は必要ありませんが、この学校を志望する受検生は「英語を使いこなしたい」「国際交流をしたい」という明確な目標をもって受検勉強に取り組んでいます。保護者の皆さまは学校説明会等で情報を集め、お子さまのモチベーションアップのためにサポートをしてあげてください。
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