東京都の中学受験について|近年の受験動向と受験のポイント
更新日:2024/06/28私立の中学入試は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県のエリアごとで入試日程が異なります。お子さまの志望校の受験日程を確認し、適切な準備を進めていきましょう。
※2024年1・2月の入試を「2024年度」、2023年1・2月の入試を「2023年度」と表記しています
目次
東京エリアの入試日程を知ろう
東京エリアの入試は2月1日~3日が中心で、それぞれ午前と午後に入試が組まれています。2月1日に第1回目の入試を設定している学校が多く、受験者が分散する傾向にあります。2月3日以降になると入試を行う学校が減るため、1つの学校に受験者が集中します。そのため、同じ学校であっても、2月1日の入試倍率よりも、2月3日以降の入試倍率のほうが高くなることが多いです。
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近年の東京都の中学受験の動向
2024年度の入試では、児童数の減少により、2月1日午前入試の出願者数・受験者数はわずかに減少したと考えられます。しかし、午後入試については多くの学校で受験者数が増加しています。午後入試の利用は定着しており、さらに実質倍率は後半の日程になるにつれて高くなっていることから、今年度は最後まで粘り強く受験を続けた様子がうかがえます。厳しい入試は継続しているといえるでしょう。
最難関男子校の入試倍率は例年2倍程度で、年度によって大きく変化しない学校がほとんどです。そんな中、駒場東邦中は受験者が555 ⇒ 586 ⇒ 627 名と2年連続で増加しています。昨年度は東大合格者数が躍進したことで注目を集めました。大学合格実績は次の年の中学入試動向に少なからず影響を及ぼすため、最新年度の結果も参考にしておくとよいでしょう。
難関校以外の学校にも多くの受験生が集まるという状況が近年目立っています。佼成学園中、足立学園中、獨協中なども高倍率になりました。中学校からの情報発信方法が多様になったことや、実際に学校に足を運べる機会も増えてきたことで、偏差値からはわからない学校の魅力が受験生に届きやすくなってきたといえます。
最難関女子校は受験者数が減少、またはそれほど変化がありませんでした。桜蔭中は607⇒565名、豊島岡女子学園中は第1回の受験者が964⇒904名と減少しました。鷗友学園女子中も減少し、女子学院中や雙葉中はあまり変動しませんでした。それらに次ぐ難関校の受験者は増加している学校が多く、例えば普連土学園中の受験者数は4回次合計で519 ⇒ 847 名に増加しました。昨年度は減少していたのでその揺り戻しともいえますが、難関校といえる学校でもこのように激しく上下することがあると知っておきましょう。
共学校である東京農業大学第一中の3回の女子受験者数の合計は797 ⇒ 1,006 名と増加しました。上位校でありながら午後受験・2教科受験をすることができるため、上位生の併願校に組み込まれることが多い学校です。この学校は高校募集の停止が発表され、2025 年度より完全中高一貫校となります。中学入試の時点で学生を確保できる人気校では、高校入試を実施しない学校も増えてきています。
東京都の公立中高一貫校は11校と近隣県に比べると多く、都内に広く配置され、中学受験の重要な選択肢になっています。全校平均倍率は3.7倍と依然として非常に高い水準です。近年は私立中受験生が公立中高一貫校を併願するというケースが増えてきました。私立中でも適性検査の対策と領域が重なるような入試問題を出す学校が増えてきたことで、適性検査の対策をしてきた受験生も、私立中の適性検査型入試を受験することが一般的になり、最終的に私立を選択するというケースもあります。
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東京都の中学受験のポイント
東京・神奈川の多くの受験生は、1月に入試を実施する埼玉・千葉の学校で初めての中学入試を経験します。ここで合格を確保し、2月1日以降の東京・神奈川の志望校の入試に臨む、というのが一般的なパターンです。受験日程を組む際は次の点を念頭に置くようにしましょう。
①2日までに合格校を確保する。②特に受験生が分散する1日が重要。③3日以降はステップアップ型で臨む。
試験回次が複数あると、合格するまでに何度もチャレンジできますが、他の学校を受験できないデメリットもあります。併願作戦を十分に立てることが大切です。事前に複数の併願パターンを想定し、志望順位に応じて適切な対策を行うとよいでしょう。
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新しい動きをキャッチしよう
受験を成功に導くには、学校選びの軸をしっかり決めること、情報を集めることが必要です。新設校や新コースの設置、入試日程・回数・科目の増減などは、どのエリアでも毎年必ずあり、それにより数年間にわたって受験倍率に影響が出ることもあります。受験を視野に入れているエリアや学校での大きな変更は、次年度以降の受験にも影響するかもしれませんので、受験学年以外の方もチェックするようにしてください。最近では学校側のSNSでの発信も多くなってきましたので、説明会だけでなく、SNS経由で情報をキャッチしておくのもおすすめです。
また近年、新しい時代を意識した学校が増え、「グローバル人材」の育成や「学力の3要素」(①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)の養成に力を入れた新しいタイプのコースが続々登場し、注目を集めています。また、「高大連携」によりハイレベルな教育をおこなう学校も増えています。新しい動きには、つねにアンテナを張っておきましょう。
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