解く前に知っておきたい!過去問が必要な意味と効果的な演習方法

更新日:2024/06/28

中学受験の1人あたりの受験校数は平均4.14校(※)となっており、志望校以外にも併願校を複数受験するのが一般的です。そのため、受験直前期は学習時間のほとんどで過去問演習をおこなうことになります。そんなたくさんの時間を費やすことになる過去問ですから、効果を最大限に発揮できるようにしたいですよね。今回は過去問の使い方を考えてみましょう。

※2024年中学受験ガイドブック「中学受験がわかる」より

目次

過去問を解く前に知っておきたい過去問演習の目的

まず初めに、過去問を解く意味は何なのかを考えていきましょう。過去問を解いて何点取れるかを見るだけ...。そう思っているとしたら、過去問演習の時間は無駄といっても過言ではありません。過去問を解く目的を理解しておくことで、効果的に過去問を使いこなせるようになります。

各中学校の入試問題の傾向・学校からのメッセージを把握する

中学入試の問題は、学校により入試の傾向や形式が違います。設問は、その学校の教育方針や入学後お子さんがどのように学校生活に取り組んでほしいかという点まで考えて作られています。過去問にはそういった学校の思いが詰め込まれていますので、過去問を解く際は学校側のメッセージを読み取っていくことが必要です。
まずは、受験校の過去問を確認し、その特徴を見つけ出しましょう。特徴として調べるポイントは以下の3つです。

①どのような問題が出やすいのか、傾向を把握する

まずは、学校からのメッセージを読み取りましょう。
過去数年分をさかのぼり、似た形式で毎年出題される問題がないかを確認します。同じような形式が毎年出るということは、その中学校ではその分野を重要視しているということです。反対にほとんど出題されない単元が無いかを確認するのも、効率よく学習を進めるために必要です。

②難度を把握する

各教科の中でも分野による難度やほかの教科の難度とのバランスを確認しましょう。
初めて見る問題や時間をかけて解くべき問題があるのかどうかを確認することで、解くべき問題の選択や解く順番の戦略が立てられるようになります。

③試験時間や配点、問題量、また解答用紙の形式などを確認する

国語の記述は出題傾向(自分の意見を書くのか、知識を書くのかなど)や選択式の問題が多いなどの出題形式、配点や問題量を確認しましょう。
試験時間や解答用紙の形式も確認しておくことで、必ず解きたい問題の選択や解く時間と見直しの時間配分などの戦略を立てられるようになります。

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入試本番を意識した実戦力を養う

同じ学校の過去問題を複数回解くことで、時間配分や問題に取り組む順序や取捨選択など、模試などでは測ることのできない実戦力を養います。
また、学校が求めている力がどのようなものかがわかるので、普段の学習を行う上で最初・最後に解くべき問題がどれなのか、解く時間がかかりすぎていないか、見直しの時間がどのくらい必要なのかなど入試本番に必要なことを意識することができます。

お子さまとの問題の相性を確認する

同じ偏差値帯にある学校でも、実際に過去問を解いてみると結果が違うことは珍しくありません。もちろん、志望校も併願校も将来通う可能性を想定して、お子さまの行きたい学校を選ぶことが必要ですが、条件に近い学校で迷っているようであれば入試問題の相性を判断材料の1つにすることもできます

中学受験で効果的な過去問演習の方法

過去問演習の目的が分かると過去問演習の重要性が分かってくると思います。次は、演習に対する疑問を解決していきましょう。

過去問はいつから取り組むべきか

入試直前に始めては、各学校の対策が十分にできません。かといって、あまり早すぎても問題が解けずにお子さまが落ち込んでしまうことがあります。おすすめは文系科目は夏休み明けの9月から、理系科目は10月から。夏休み前には受験校の過去問をそろえておき、お子さまに合わせてスケジューリングをしていくと良いでしょう。
スケジューリングをする際には以下の点に気を付けましょう。

何年分くらいの過去問をやればいいの?

第1志望校は5年分、第2志望は3年分、その他併願校は2年分、それを時間を空けて2回以上演習できることが望ましいです。あくまでも目安なので、お子様に合わせて調整してください。
また、第1志望校に関しては複数回演習できるような計画を立てましょう。例えば「1回目は演習(例:10月~11月)、2回目は解き直し(例:11月~12月)、3回目は再演習(例:12月~入試直前)」のように、解き直しまで含めて3回演習できるのが理想的な計画の立て方です。

第1志望の学校は1日で1年度分を全教科解こう

テストやイベントのない土日祝日を利用して、優先的に第1志望校の演習を行えるように計画を立てましょう。特に、入試本番と同じ時間割で午前中から行うと効果的です。
中学入試直前は模試で土日も忙しくなりがちですから、過去問の演習が行える日をあらかじめ確保しておきましょう。

過去問に取り組むための基礎力を身につけてから挑もう

基礎力が低い状態で演習にのぞんでも、思うように正答を出せずお子さまのモチベーション低下につながるだけです。基礎力に不安がある場合は、基礎力強化に重きを置いて、ある程度の力がついてから過去問に挑むようにしましょう。前述の「理系科目は10月から」というのはこの点を考慮しています。

過去問演習を行う際の注意点

目的や演習方法がわかったら、実際に過去問演習を行う時に注意したいことを確認していきましょう。

解答用紙は原寸大にコピーして使おう

購入した過去問には解答用紙集が別冊として組み込まれていることがあります。演習をする際は、ご家庭で実物と同じサイズに拡大コピーして解答を書き込むようにしましょう。方眼や記述欄の大きさに慣れることができます。
解答用紙が公表されていない学校もありますので、そういった場合はノートなどに記載し、2回目以降に見直せるようにしましょう。

周りに誘惑の無い静かな場所で行う

過去問演習をする際は、できるだけ本番に似た雰囲気にすることが望ましいです。テレビや会話が聞こえる環境はなるべく避け、静かな場所で行うのがよいでしょう。栄光ゼミナールでは、自習室での演習をおすすめしています。

本番に合わせた時間割で行う

学校ごとの開始時刻休憩時間教科の順番を確認し、それに合わせて実施しましょう。常に緊張感をもって演習を行うことが望ましいです。

問題の特徴をとらえましょう

演習中は時計やタイマーなどを用意し、問題量や時間配分を体感しましょう。ただ問題を解くのではなく、残り時間や難易度を意識しながら複数年度解くことで、「この学校の算数は後半に難しい問題が出るな」など教科の特性や傾向を自分なりに把握できるようになります。
また、問題の順番にとらわれず、解けそうな問題から解くことが得点力につながります

本番を意識して解きましょう

入試本番をイメージして本番にするべきこと、できないことを確認しましょう。
例えば、入試中に離席を控えたり、休憩時間にトイレを済ませる、次の教科に向けた準備をするなど本番を想定した練習をしておくと、本番で何をしたらいいかがわかるようになり、対応できるようになります。

過去問の見直しは必須 間違いをチェックして次に活かそう

過去問演習が終わったら、採点を行い必ず見直しをしましょう。採点は保護者の方ではなく、お子さま自身がすることで時間配分や問題に取り組む順序や取捨選択など、何を改善したらいいのかを意識することができます。
また、間違えた問題は早めに解き直しをしましょう。ただ解くだけでなく、「なぜ間違えたのか?」の原因を考えることが大切です。【計算ミスなら見直しの時間を増やす】【難しい問題に時間をかけすぎたなら、問題を解く順番を考え直す】など、原因を見つけることで次の演習に生かせます。
栄光ゼミナールでは、お子さまの過去問の添削指導もいたします。特に、文系科目の記述問題は解答を見て納得できないこともありますので、ぜひ経験豊富な担当講師にお任せ下さい。

栄光ゼミナールなら、基礎から過去問演習までアドバイスいたします。

過去問はいつからはじめたらいいの?どのような順番で行うべき?中学受験では、迷うことがたくさん!また、お子さまの学習状況や性格によって、その時期や取り組むべきことの順番も様々。
栄光ゼミナールでは、定期的な保護者面談などでご家庭の疑問やお悩みを解決します。少しでも不安なことがあれば、送り迎えの時などを利用してお気軽にお声をおかけください。生徒とご家庭のコンサルタントとして、豊富な受験情報や、多くの先輩たちの実績や実例を踏まえて、つねに最適なアドバイスをさせていただきます。

栄光の中学受験対策では最新の受験情報をもとに、進路指導を行ったうえで目標達成に必要な学習プランを作成し、勉強の進め方、志望校対策まで、講師が生徒1人ひとりに寄り添って指導します。少人数で発言や質問がしやすく、仲間と切磋琢磨しながら成長できるグループ指導と、先生の隣でわからないところや苦手を中心に、自分のペースで学習を進められる個別指導があります。お子さまに合った指導形態で合格に向かって学習を進めることができます。

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