【塾なし中学受験】難しさとメリット/塾なしで対策するには?
更新日:2024/07/11中学受験を考え始めると「どんな塾がよいのか」という疑問とともに、「塾に通わなければ中学受験はできないのか」と思う人もいると思います。実際に「中学受験 塾なし」で検索すると、塾に通わずに志望校へ合格した方のブログや体験談を見ることができます。
しかし、実際には塾なしで中学受験に挑戦している人は多くありません。それにはいくつかの理由があります。塾なしでの中学受験の難しさについてお話ししつつ、塾なしのメリットや塾なしで受験勉強を進めるためのポイントもご紹介します。
目次
塾なしで中学受験に挑戦する難しさはココにある
通塾せずに中学受験をするのが難しいことにはいくつかの理由があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
中学受験をするのは小学生
当たり前のことですが、中学受験に挑戦するのは小学生です。高校受験や大学受験をする中高生と比較して、自己管理がまだできていない子どもも多いため、大人のサポートが欠かせません。
まずは学習習慣を身につけることが大切です。塾に通うと授業時間は強制的に勉強をすることになりますし、家庭学習として宿題も出されます。塾によっては自習室で勉強することもできるので、おうち以外でも勉強時間の確保ができますが、塾なしの場合はご家庭で時間を決めて勉強を進めなければいけません。お子さまが自分で勉強する習慣がない場合は、保護者の方が都度声掛けをする必要があります。
また、受験対策には欠かせないスケジュール作成や、できないところ・苦手の分析なども小学生には難しいでしょう。
このようなところから、高校受験などとは違い、中学受験では周囲の大人のサポートが必要不可欠なのです。
学校で習わない問題が入試に出題される
公立高校の受験では基本的には中学校の指導要領に沿って出題されますので、保護者の方も教えることができたり、学校の先生に聞けば大抵のことは教えてもらえたりします。
一方で中学受験、特に私国立中学の入試問題では、小学校の指導要領には載っていない内容の問題が出されます。また、保護者の方が中学受験経験者であっても、出題傾向・内容が以前とは違うということも多々あります。さらに求められる知識量は膨大です。そのため、専門の指導が必要になるのです。
もちろん中学受験用のテキストなども市販されていますが、それだけで理解できる子どもは多くありません。中学受験塾では先生が面白く楽しく、かつ分かりやすく説明してくれますし、わからないところがあれば先生に個別で質問できる塾もあります。
中学受験では、このような問題の難しさ・内容の膨大さのために中学受験に対応した塾の指導を受ける人が多いのです。
正しい情報が集めにくい
受験は情報戦の一面を持っています。様々な情報から、志望校をどこにするか、併願先はどうするのか、どの入試方法にするのか、などについてお子さまに合った選択をしていかなければなりません。
昔と違い、今はインターネットを使えばあらゆる情報が手に入る時代です。中学受験の情報もネットにたくさん載っています。しかし、それと同時に間違った情報が氾濫しているのも事実です。そして、塾なしで受験をするということは、どれが正しい情報でどれが間違った情報なのか、その判断が難しくなるということでもあります。
塾には多くのデータがありますし、中学の情報も集まります。毎年の入試情報をくまなく収集し、問題分析も行っていますので、信ぴょう性の高い情報を保護者・生徒に共有することができます。
塾なしで中学受験をするときには、保護者の方がこうした塾の役割を担うことになるため、負担が大きくなってしまうのです。
長期間の受験勉強とモチベーションの維持
中学受験の勉強は3年間と言われています。多くの中学受験塾では3年生の2月から中学受験用のカリキュラムが始まります。高校受験や大学受験では受験を意識して勉強するのは1年間、長くても1年半くらいではないでしょうか。中学受験がどれほど長期戦かをわかっていただけると思います。
塾なしで中学受験対策をする場合、この3年間を一人で勉強することになります。もちろん保護者の方と一緒に、という意味では完全な一人ではないのですが、一緒に勉強する仲間がいないという意味では一人です。
高校受験や大学受験では学校のクラスに同じように受験勉強を頑張る仲間がいるでしょう。お住まいの地域にもよりますが、まだまだ中学受験をするご家庭は少数派です。ライバルがいたほうが刺激になり、モチベーションになるお子さまもいますので、そういった場合は切磋琢磨できる塾のほうがやる気が持続しやすいでしょう。
塾なし中学受験のメリット
ここまで通塾せずに中学受験をする難しさについてお話してきましたが、ここからは塾なしで中学受験をするメリットについて紹介します。
費用が抑えられる
ここを一番のメリットと考える人は多いでしょう。先ほども書いたように、中学受験のカリキュラムは小3の2月から始まります。そこから通塾を開始したとして、約3年間の塾代がかかることになります。
中学に合格すれば入学金や学費がかかるため、塾代は抑えたい、というご家庭もあると思います。塾なしで対策ができれば、3年間の塾代は中学校生活に向けた費用に回すことができますね。
通塾時間がかからない/送迎がいらない
通塾する場合、そのための時間がとられることになります。家の近くに希望する塾があればよいですが、少し遠くても実績のある塾に通われているお子さまもいます。その場合は通塾に時間がかかりますし、保護者の方も送迎に時間を割くことになります。
塾なしの場合は基本的に自宅学習となるため、通塾時間や送迎が不要です。その分を勉強時間に充てられることはメリットといえます。
勉強のペースがカリキュラムに左右されない
塾なしの場合は、自分のペースで学習を進めることができます。集団塾の場合はカリキュラムに沿って進めていくので、分からないところがあっても次の授業では次の単元に進んでしまいますし、分かっている単元でも飛ばして先に進むことはありません。良くも悪くもペースは変わらないのです。
塾なしで受験対策をする場合は、自分のペースで学習できます。カリキュラムに合わせなくてよい分、自分の出来ないところに時間をかけて丁寧に勉強を進められます。ただし、受験本番までにはすべてのカリキュラムを終了し、演習も終わらせている必要がありますので、自分のペースでも計画的に進めなければなりません。
競争によるプレッシャーやストレスがない
お子さまの中には、競争が苦手な子もいます。集団塾などでは、毎週テストが行われ順位が出るような塾もあります。塾によってはその順位によってクラスが変わったり、席順が変わったりもします。そういった競争によってやる気が出る子もいれば、過度なストレスになってしまう子も。後者の場合は塾なしで勉強するほうがストレスやプレッシャーがなく、のびのびと学ぶことができるかもしれません。
塾なしで中学受験対策をするには?
上記のように塾なしで中学受験対策をすることは難しいと言わざるを得ませんが、一方でメリットがあることも確かです。ご家庭によっては塾なしを選択することもあると思います。塾なしで中学受験に挑戦するためのポイントをお伝えしていきます。
子どもを全力でサポートする体制づくり
中学受験は通塾していたとしても、保護者の方の協力なしには成しえません。それを塾なしで進めるには、保護者の方が全力でお子さまをサポートする体制・環境を作ることが欠かせません。
受験までのスケジュール作成、志望校の決定(ネット・学校説明会などでの情報収集含む)、学習の習慣化、学習方針の策定(どのテキストを使うかなど)、模試の結果や苦手単元などの分析…やるべきことはたくさんあります。受験最終日のその日まで、全力でサポートする覚悟が必要です。
中学受験問題の解き方を理解する
特に中学受験を経験していない保護者の方は中学受験で出される問題の解き方をしっかり理解しておきましょう。中学受験の問題は特有の解き方があります。中学・高校の知識があれば簡単に解けるような問題(公式を使って解ける問題など)もあるかもしれませんが、解説を読み込み、いざというときはその解説に沿った説明をお子さまにしてあげてください。
色々な中学受験用のテキストが売っていますが、お子さまが一人で解説を読んでも理解できそうなくらい丁寧に書いてあるもの、かつ保護者の方も解き方が理解できるものが望ましいでしょう。
子どもの気持ちを尊重する
受験対策をご家庭で進めていると、「受験日」まで見越している保護者の方が焦りを感じやすくなります。逆にお子さまは何のために勉強しているか分からなくなってしまったり、目先の誘惑に負けてしまったりします。この違いによって、保護者とお子さまが衝突することは想像に難くありません。塾に通っている場合は、この衝突の間に入ってくれるのが塾の先生になります。保護者の意見も、生徒の意見も聞いたうえで解決策を提示してくれるのですが、塾なしで受験対策を進めるときには、この衝突が起こったときにはどうするかを先に考えておくことが大切です。
保護者の方はどんな時も「中学受験の主役は子どもである」ということを覚えておきましょう。お子さまの気持ちなしに中学受験はできません。衝突したときには誰かに話を聞いてもらうなど、ガス抜きできるようにしておくのも大切です。
塾と中学受験
中学受験をするためには塾が絶対に必要、というわけではありません。しかし、効率的に学習が進められるカリキュラムが整っていたり、子どものやる気を出すような仕組みがあったり、適切な情報をくれたりと、中学受験を進めていくうえで塾は強い味方になります。
まずはいろいろな中学受験塾の体験をしてみて、どのように受験対策をするのか、ご家庭で話し合い、決めることをおすすめします。
栄光の中学受験対策では最新の受験情報をもとに、進路指導を行ったうえで目標達成に必要な学習プランを作成し、勉強の進め方、志望校対策まで、講師が生徒1人ひとりに寄り添って指導します。少人数で発言や質問がしやすく、仲間と切磋琢磨しながら成長できるグループ指導と、先生の隣でわからないところや苦手を中心に、自分のペースで学習を進められる個別指導があります。お子さまに合った指導形態で合格に向かって学習を進めることができます。
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