午後入試をどう活かす?2027年度中学受験を有利に進める一都三県の「午後入試」実施注目校と併願戦略

投稿日:2026/09/30

首都圏における中学受験者数は高い水準を維持し続けており、これまで以上に綿密なスケジュール管理が合否を分けるようになっています。

特に、ここ数年で学校選びのトレンドは大きな変化を遂げています。近年は「早い段階で納得のいく合格を手にし、お子さまの精神的な安定を保ちながら進めていく」という、より堅実で戦略的な傾向が強くなっているのです。

短期決戦を有利に進める戦略のひとつが、「午後入試」です。

1日のうちに午前と午後の試験をうまく組み合わせることで、入試の挑戦回数を増やし、合格の確率を大きく高めることができます。しかし、ただ闇雲に午後入試を詰め込めばよいわけではありません。お子さまの持つ得意分野・適性に合わせた選択が必要不可欠です。

本記事では、一都三県でいま視野に入れるべき「午後入試を実施している学校」と、午後入試を受ける際に気を付けるべきことをご紹介します。

目次

「午後入試」実施の注目校12選

2027年度中学入試においてぜひ併願先の候補として視野に入れておきたい一都三県の注目校を、一都三県別にご紹介します。

【東京都】

1. 城北中学校(男子校)

2月1日午後に「算数選抜」を新設

2月1日の午後に「算数1教科(60分・100点満点)」の算数選抜を導入します。知識や技能に留まらない学びの中身を重要視し、算数などに優れた力を持つ生徒が加わることで生徒が互いに刺激し合える環境をつくることを目的にしています。

午前中に他校の4教科入試を受験したあとでも、得意の算数1教科で勝負できるため、算数が得意な男子にとって2月1日午後の極めて強力な併願選択肢となります。

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2. 大妻中学校(女子校)

2月1日に2科目(国語・算数)の「午後入試」を新設

これまで行っていた2月5日の最終入試を廃止し、新たに2月1日午後に国語・算数の2科目入試(募集人員40名)を設置します。2月1日午前の第一志望校受験のあと、2科目で手堅く合格を狙う動きが加速することが予想される中、女子の午後併願の構図を変える存在となるでしょう。

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3. 明治大学付属世田谷中学校(共学校)

2月2日午後に「2科目入試(算数・理科)」を新設

2026年度の共学化・明大系列校化に伴い多くの受験生を集めて話題となった同校ですが、2027年度から2月2日に「午後入試」を新設します。試験科目は算数・理科の2科目で、男女あわせて20名の募集になります。理系科目が得意な人は、2027年度も引き続き要注目の学校です。

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4. 芝浦工業大学附属中学校(共学校)

2月2日午後に「言語・探究入試」と「英語入試」を実施

2種類の午後入試を実施しています。「言語・探究入試」は「言語技術と探究」「算数」の2科目、「英語入試」は「英語」「算数」の2科目での実施です。これらの入試は「芝浦工業大学附属中学校の教育の特色をいち早く実践でき、目指す教育をけん引する力を秘めた生徒に受験してほしい」ということを目的としています。

特に「言語技術と探究」は科目名としては聞きなれない名前で身構えてしまいそうですね。「言語技術」「探求」の2科目が合わさった試験で、そのうち「言語技術」については芝浦工業大学附属中学校のホームページで以下のように説明されています。

>「言語技術」は論理的思考力、分析力、発想力、表現力を総合的に問う入試です。例えば与えられた資料を分析し、読み取った情報から自らの考えを組み立て説明するような、文章で自分の考えを説明する問題を出題します。

(引用元:SIT 中学入試 サンプル問題)

自分の考えを表現したり、発表したりするのが得意な人は、ぜひ挑戦してみてください。

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【神奈川県】

1. 山手学院中学校(共学校)

午後入試実施日程の変更

2026年度までは2日間の日程で2科目(国語・算数)の「特待選抜Ⅰ」「特待選抜Ⅱ」を実施していましたが、2027年度からは2月1日午後に実施の「特待選抜」に一本化されます。科目数や募集人数の総数は変わりません。学校側からの発表では、倍率の変動もあまりないと予想されています。

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2. 日本女子大学附属中学校(女子校)

2月2日午後に2科目(国語・算数)入試を新設

多摩丘陵の自然に囲まれ、「森の中の学校」といわれる日本女子大学附属中学校。2027年度入試で新たに2月2日午後に「一般入試 第3回(国語・算数の2科目・募集人員約30名)」を新設します。

2025年度入試から募集を開始した、算数の1科目入試も引き続き2月1日の午後に実施されるので、受験生にとって選択肢が広がることになります。

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3. 聖園女学院中学校(女子校)

「特待適性検査型入試」のリニューアルと活動アピール型入試の導入

1科目・2科目入試だけでなく、「英語チャレンジ入試」や「特待適性検査型入試」といった特色型入試も充実している聖園女学院中学校。2027年度から「特待適性検査型入試」のリニューアルと「活動アピール型入試」という特色型入試を導入します。

「特待適性検査型入試」はこれまで神奈川県立中等教育学校の検査問題Ⅰ・Ⅱをモデルにした試験を実施していましたが、新たに横浜市立高等学校附属中学校の適性検査Ⅰをモデルにした試験が導入されます。神奈川県の公立中高一貫校の併願先として、より魅力のある学校となりました。

新たに導入される「活動アピール型入試」は、国語・算数の基礎的な確認テストとプレゼンテーションで構成されています。習い事やボランティア、創作活動など、頑張ってきたことや夢中になって取り組んできたことがある人にとってチャレンジしがいのある入試です。

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【千葉県】

1. 昭和学院秀英中学校(共学校)

2科目(国語・算数)の「午後特別入学試験」を実施

県内だけでなく東京や神奈川からもたくさんの受験生が集まる人気校です。千葉エリアの入試がスタートする1月20日午後に2科目(国語・算数)の「午後特別入学試験」を実施しています。国語60点、算数120点と算数の配点が大きい入試です。

2026年度、午後特別入学試験の倍率は男子が3.32倍、女子が5.26倍でした。一般入試の倍率は男子が2.45倍、女子が3.36倍だったので、午後特別入学試験はより競争が激しいことがわかります。午後の併願候補として有力ではありますが、国語・算数で着実な力をつける対策が求められる学校です。

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2. 光英VERITAS中学校(共学校)

1月21日午後に「VERITAS 国語入試」を新設

2021年の共学化・校名変更を経て、グローバル化する社会の発展に貢献できる人材を育成することを目指している学校です。「VERITAS 理数 特待選抜入試」「VERITAS 算数入試」といった1科目の午後入試を実施していましたが、2027年度から新たに国語の1科目入試も開始します。

2026年度は千葉県内の多くの難関校で受験生が減少する中、光英VERITASは受験生が増加しました。午後入試の人気を表す好例といえるでしょう。

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【埼玉県】

1. 開智中学校(共学校)

1月11日午後に「算数特待入試(算数1教科)」を実施

首都圏の中学入試の幕開けとなる埼玉県において、開智は1月11日午後に「算数特待入試(算数1教科)」を実施しています。午前中に同校や他校の4教科入試を受け、午後に得意な算数1教科で特待生合格を狙うというハイレベルな併願戦略が可能です。また、開智学園系列校は、1つの試験で複数の合格を得られる「同時判定」が特徴です。開智の算数特待入試では、開智所沢と開智望の同時判定を受けることができます。

2月の東京・神奈川入試を前に弾みをつけるための、1月午後入試の代表格です。

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2. 獨協埼玉中学校(共学校)

2027年度から1月10日午後に「英語資格入試」を導入

これまでに培った高い英語力を評価する「英語資格入試」が2027年度から導入されます。試験科目は国語・算数の2科目で、実用英語技能検定3級以上[4] の資格を持つ受験者に15点が加点される入試です。

英検の資格を取得している人は、1月上旬の段階で合格を1つ保持しておくためにも、併願候補として検討してみてください。

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3. 埼玉栄中学校(共学)

1月10日・11日午後に2科目入試を実施

充実した最先端の設備と多彩なクラス制で受験生を集める共学校です。1月10日・11日の午後に国語・算数2科目の午後入試を実施しています。対象は、医学クラスと難関大クラスの2種類です。

2026年度は慎重な受験校選びをする受験生が多く、難関校で受験者が減少した影響もあり、埼玉栄は受験生が大きく増加しました。さらに受験生が増えていくのか注意が必要ですが、1月期に場数を踏んで合格体験を積み重ねるうえで頼もしい選択肢です。

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併願プラン・体力維持・メンタル面で押さえるべき注意点

午後入試を組み込んだスケジュールは非常に魅力的ですが、一歩間違えると「お子様の心身を削り、翌日以降の試験に悪影響を及ぼす」というリスクも抱えています。2027年度の過密な日程を勝ち抜くために、以下の3点に注意しましょう。

1. 併願プランの注意点:2月1日午後に「確実な合格」を作る

午後入試を受ける目的のひとつは「早い段階で合格を1つ確保し、精神的な余裕を得ること」です。 チャレンジ校の午前試験のあと、午後も難易度の高い高倍率校を受験してしまうと、万が一どちらも不合格だった場合に2月2日以降のメンタル維持が難しくなります。2月1日午後は、自分の偏差値に対して確実に合格圏と言える学校を組み込むことが理想です。

2. 体力維持の注意点:「移動時間=休憩・食事時間」と割り切る

午前試験が終了してから午後試験の集合時間までは、実質2〜3時間ほどしかありません。

  • 移動のロスを最小限にする: 午前校と午後校の移動経路・所要時間を事前に分単位で確認し、タクシーの手配や混雑を避けるルートをシミュレーションしておきましょう。
  • 移動中は勉強させない: 車内や電車内で参考書を開かせるのは避けましょう。午前中の試験で頭は疲弊しています。ゼリー飲料や一口サイズの軽食でエネルギーを補給させ、目を閉じさせて脳を休ませることが午後の集中力を生みます。

3. メンタル面の注意点:午前の手応えは「振り返らない」

午前中の試験が終わった直後、お子さまが「できなかった…」と落ち込んだり、逆に「できた!」と興奮したりすることがあります。 しかし、午前中の出来不出来について深掘りしないようにしましょう。明るく声をかけ、気持ちをリセットして次の試験に向かわせることが、午後入試に向かうお子さまにとって支えになります。

笑顔の春を迎えるために

中学受験は、データや周囲の評判に振り回されて、保護者の方自身が冷静さを失ってしまいそうになる瞬間が多々あることでしょう。しかし、中学受験という長い道のりにおいて何よりも大切なのは、模試の偏差値ではなく、お子さま自身が「この学校へ通いたい、ここで新しい生活を始めたい」と心から思える環境に出会うことです。

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