2024 小中高生のICTスキルに関する調査
株式会社栄光(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:下田勝昭)が運営する進学塾・栄光ゼミナールは、2024年1月6日(土)~1月16日(火)に、「小中高生のICTスキルに関する調査」を実施し、小学1年生~高校3年生の子どもを持つ保護者2443人の有効回答が得られました。
<調査概要>
調査対象:栄光の教室に通う小学 1 年生~高校 3 年生の子どもを持つ保護者
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年1月6日(土)~1月16日(火)
回答者数:2443名
小中高生のICTスキルに関する調査まとめ
- 小中高生のICT端末の使用頻度 パソコン・タブレット・スマートフォンとも「ほぼ毎日」
- タイピングは小学生で経験、小中高生いずれも「一人でスムーズにできる」が最多
- プレゼンテーション資料作成とタイピングスキル 高校生保護者の5割超が「自分と同じか子どもの方ができる」
- 我が子のICTスキル 小中高生保護者の9割が「学校の授業で習得」、「子どもが自力で習得」も約6割
- 高校の情報科 「高校新課程での情報Ⅰ・Ⅱ新設」や「大学入学共通テストでの導入」の認知度高く
栄光ゼミナール調べ
パソコン・タブレット端末・スマートフォンについて、 お子様は現在、学校やご自宅あわせて、どの程度使用していますか。(n=2443、単一回答方式)
小学1年生~高校3年生の保護者に、まずは、パソコン・タブレット端末・スマートフォンについて、子どもが初めて触れた年齢を聞いた。パソコンについて、子どもが小学生の間に初めて触れた家庭が全体の半数超だった。タブレット端末について、特に小学生の家庭では「満1~3歳」「満4~6歳」があわせて7割超にのぼった。スマートフォンについて、年代によってばらつきがあり、小学生保護者では「満1~3歳」が最も多く3割超だった。次に、パソコン・タブレット端末・スマートフォンについて、学校や自宅を合わせた、子どもの使用頻度を聞いた。いずれのICT端末においても、「ほぼ毎日」が保護者全体で最も多い回答となり、子どもが日々ICT端末に触れていることが分かった。
端末ごとにみていくと、パソコンはタブレット端末・スマートフォンと比べると使用頻度は低いものの、子どもが「ほぼ毎日」使用していると回答した割合は、小学生保護者の33.3%、中学生保護者の39.2%、高校生保護者の37.6%となった。タブレット端末は、小学生保護者・中学生保護者・高校生保護者いずれも50%超が「ほぼ毎日」と回答し、特に小学生保護者はその割合がパソコン・スマートフォンと比べて高かった。スマートフォンは、中学生保護者の89.9%、高校生保護者の97.3%が「ほぼ毎日」と回答し、パソコン・タブレット端末と比べて非常に高い使用頻度であることが分かった。
以下のICTスキルについて、子どもが初めて経験したのは何歳頃ですか。(n=2443、単一回答方式)
次に、【タイピング】【文書作成】【表やカレンダー・計画表などの作成】【数式や関数を使った計算】【プレゼンテーション資料作成】の5つのICTスキルについて、子どもが初めて経験した年齢を聞いた。
タイピングについて、小学生保護者で最も多かったのは「小学1~3年生」、中学生保護者・高校生保護者で最も多かったのは「小学4~6年生」だった。「やったことがない」と回答した保護者は、小学生保護者・中学生保護者・高校生保護者いずれも10%未満だった。文章作成について、小学生保護者では「小学1~3年生」、中学生保護者では「小学4~6年生」、高校生保護者では「中学1~3年生」が最も回答が多かった。「やったことがない」と回答した保護者は少なく、特に中学生保護者・高校生保護者では10%未満だった。表やカレンダー・計画表などの作成について、中学生保護者は「小学4~6年生」が34.8%、高校生保護者は「中学1~3年生」が37.1%と最も高く、小学生保護者では「やったことがない」と回答した割合が60.2%と最も高かった。数式や関数を使った計算について、小学生保護者・中学生保護者では「やったことがない」と回答した割合が最も高かったが、高校生保護者では「中学1~3年生」が34.1%で最も高かった。プレゼンテーション資料作成について、中学生保護者は「小学 4~6年生」が39.3%、高校生保護者は「中学1~3年生」が42.2%と最も高かった。小学生保護者は「やったことがない」という回答が最も多かったものの、「小学4~6年生」と回答した小学生保護者も約3割だった。
それぞれのICTスキルで、中学生保護者が「小学4~6年生」、高校生保護者が「中学1~3年生」という回答が多かったのは、GIGAスクール構想による1人1台のICT端末の導入・活用が、新型コロナウイルスの感染拡大により2020年度から急速に進んだことを背景に、当時小学4~6年生だった現中学生、中学1~3年生だった現高校生が、学校等でICTスキルを経験したことがその理由の一つと考えられる。
以下のICTスキルについて、 子どもは現在、どの程度行うことができますか。(n=2443、単一回答方式)
5 つのICTスキルについて、現在の子どもの程度を聞いた。タイピングについて、小学生保護者・中学生保護者・高校生保護者いずれも「一人でスムーズにできる」が最も多く、特に高校生では65.4%にのぼった。文書作成について、中学生保護者・高校生保護者は「一人でスムーズにできる」が最も多く、小学生保護者は「一人でスムーズにできる」と「スムーズではないが一人でできる」がほぼ同割合だった。表やカレンダー・計画表などの作成について、高校生保護者では「一人でスムーズにできる」が最も多く、中学生保護者では「一人でスムーズにできる」「スムーズではないが一人でできる」「人の助けがあればできる」「やったことがない・全くできない」がほぼ同割合だった。小学生保護者は「やったことがない・全くできない」が半数以上で最も多かった。数式や関数を使った計算について、高校生保護者は「一人でスムーズにできる」「スムーズではないが一人でできる」「人の助けがあればできる」がほぼ同割合だった。小学生保護者・中学生保護者が「やったことがない・全くできない」が最も多かった。プレゼンテーション資料作成について、中学生保護者・高校生保護者は「一人でスムーズにできる」が最も多く、特に高校生保護者では半数超だった。
以下のICTスキルについて、 保護者自身と比べて、子どもはどの程度行うことができますか。(n=2443、単一回答方式)
次に、5つのICTスキルについて、保護者自身と子どもを比べて、どの程度できるかを聞いた。いずれのICTスキルも、「自分(保護者)の方ができると思う」という回答が最も多かったが、プレゼンテーション資料作成については、中学生保護者・高校生保護者が「子どもの方ができると思う」と回答した割合がそのほかのICTスキルよりも割合が高かった。また、高校生保護者の半数以上が、タイピングとプレゼンテーション資料作成のスキルは、保護者と子どもは同程度あるいは子どもの方ができると思っていることが明らかとなった。
子どもはどのようにICTスキルを習得しましたか。(n=2443、総回答数5863、複数回答方式(あてはまるものすべて))
子どもがICTスキルを習得した手段について保護者に聞いた。小学生保護者・中学生保護者・高校生保護者いずれも、「学校の授業で習得した」が最も多く、約9割にのぼった。次いで、「子どもが自力で習得した」「保護者が教えた」という回答が多かった。
高校の「情報科」に関する内容について、知っている情報は何ですか。 (n=2443、総回答数3961、複数回答方式(あてはまるものすべて))
次に、高校の「情報科」について、保護者がどのような情報を知っているかを聞いた。高校1・2年生は学習指導要領の新課程で履修していることなどもあり、高校生保護者の情報科に関する知識はいずれも高かった。特に、2022年度より学習指導要領で情報Ⅰ・Ⅱが新設されたことや、来年1月の大学入学共通テストに情報Ⅰが導入されることは6割超の高校生保護者が「知っている」と回答した。一方で、小学生保護者・中学生保護者は「知っているものは一つもない」という回答が最も多かった。
子どものICTスキル向上のために取り組んでいることや、子どものICTスキルにまつわるエピソードを教えてください。(自由記述方式)
・1 日10~15分、タイピング練習ソフトを使って、ローマ字入力を練習しています。タッチタイピングは難しそうですが、ガイドが出るのでゲーム感覚で楽しそうに練習しています。(小学1年生保護者)
・プログラミングは好きじゃないのかなと思いきや、子どもが自分でゲームプログラミングを主体としているプログラミング教室を見つけてきました。今ではJavaベースのコードを覚えて使いこなし、タッチタイピングも社会人レベルでできています。(小学3年生保護者)
・行きたい旅行について父親にプレゼンするために、パソコンでパワポを準備して、帰宅時に閲覧できるよう準備していた。(小学4年生保護者)
・子どもが好きなMinecraftを利用してJavaやPythonといった言語や仕組みを理解・体感することで、得意分野として幅が広がったと思います。(小学5年生保護者)
・いつの間にかWordやPowerPoint、画像編集ソフトを使いこなしていてびっくりした。学校での指導がすごいと思った。(小学5年生保護者)
・興味を抱いた分野における、ICTスキルの習得速度には目を見張るものがあると感じています。ICT教育は、保護者としても、今後の進学先選択における条件として、重要視している項目です。(小学5年生保護者)
・小1の終わりにコロナ休校があり、YouTubeを自分で検索したいがために、ローマ字入力を覚えていた。小2から小3では、お友達と脚本をつくり、リカちゃん人形などを使って動画を撮影編集していて、驚いた。(小学5年生保護者)
・小学校低学年でプログラミングを習わせようと考えましたが、子どもに興味がなく習わせられませんでした。しかし、小学校5年生になり、自分からScratchや CLIP STUDIO PAINTを使わせてほしいと言い出しました。小学校でパソコンを使わない日は無いようです。(小学5年生保護者)
・自治会の仕事でチラシ作成が必要になり、面倒な作業だと思ってつい愚痴をこぼしてしまったが、それを聞いた子どもが「そういうの得意!」と言って画像の取り込み、配置、配色など短時間でとても素敵なチラシを作ってくれて感動しました。(小学6年生保護者)
・夏休みの自由研究の資料作りで、プレゼンテーションソフトやフォトレタッチソフトを使ってレポート作りをしました。その時に、先に体裁をある程度決めて、全体の書式設定をするとのちのち便利なことや、画像編集は面白がってとりあえず使ってみるのが一番手っ取り早く覚えられることを本人も自覚したようでした。(小学6年生保護者)
・中1からPhotoshopなどの画像編集ソフトが入っているパソコンを学校で1人1台購入したので、部活で写真撮影したデータの取り込み、社会の授業レポートの作成、プレゼンテーション原稿の作成、オンラインでの課題提出や諸連絡まで学校生活の中でICTスキル向上がはかれていると思います。最近では親戚の集まりで写真撮影したものをスライドショーにして動画編集し、祖父母に大変喜ばれました。コロナ禍を経て、1人1台端末の環境が身近となり、海外の方とオンライン英会話の夏季プログラムに参加するなど充実した学校生活が送れているようです。(中学2年生保護者)
・ICTスキルは、全て小学校で教わりました。公立小学校でしたがモデル校になっていて早くからChromebookが導入されていたので、コロナ禍で休校になった際にも、Classroomなどでクラスのみんなとつながり、授業を受けることができました。(中学2年生保護者)
・小6夏休みの自由研究で自分が好きなゲームをプログラミングして作ってみたいと言った時に、親は一切口出しせず、自力でYouTubeなどで作り方を調べて完成させた。自分でネットで調べれば何でもできるんだという自信がついた。(中学2年生保護者)
・小2からPC塾には通っていました。小5でジャンクパーツを集めてデスクトップPCを自力で組み立てるようになりました。(中学3年生保護者)
・就学前に、家庭で行う父の日のお祝い会の招待状をつくる名目でタイピングをさせたのが最初の取り組みです。この時はかな入力でした。その後は小1から取り組んだ理科の自由研究で、エクセルやパワポを使いました。小学校高学年からは、撮影した写真の加工も教えました。プロジェクターを使った発表やTeams等のグループウェアは中学の授業の中で習得しました。(高校1年生保護者)
・小学生のうちからタイピングに慣れるようパソコンを購入し、環境を整えたせいか、去年から始まった情報の授業は比較的うまく対応できているそうです。(高校2年生保護者)
・音楽の課題の作曲で、明け方まで一緒に音楽制作用のソフトで作業したり、多忙な中で文化祭の部活ポスターを深夜から作り始め、2時間で立派なものを完成させて驚かされたりと、大きな成長を感じることができました。(高校2年生保護者)
・中1からプログラミングスクールへ通い始め、中3でテクノロジーを使って社会課題を解決するコンテストにチームで応募してセミファイナリスト。締切前夜2時までプログラムの修正をした経験は、自分の限界を超える努力を知った良いきっかけになったと感じる。高校ではアプリ甲子園にエントリーしていたが、大学受験を視野に入れた高2の夏に「いったん休止」と言って勉強にシフトチェンジ。自分の意思で始めたプログラミングの経験が、大学受験の学習によい影響を与えていると思う。(高校3年生保護者)
・今の高3より、中1の方が表作成・関数計算や、プレゼン資料などの指導が充実しているので、その格差は感じる。(高校3年生保護者)
栄光の取り組み
栄光ゼミナールでは、小中高生のご家庭を対象とした調査を行っています。
こちらの記事のpdfは下記からご覧ください。
このほかの調査については以下からご覧ください。
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