2024 小中高生の家庭の職業観に関する意識調査
株式会社栄光(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:下田勝昭)が運営する進学塾・栄光ゼミナールは、2024年9月7日(土)~9月17日(火)に、「小中高生の家庭の職業観に関する意識調査」を実施し、小学1年生~高校3年生の子どもを持つ保護者2188人の有効回答が得られました。
<調査概要>
調査対象:栄光の教室に通う小学1年生~高校3年生の子どもを持つ保護者
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年9月7日(土)~9月17日(火)
回答者数:2188人
小中高生の家庭の職業観に関する意識調査まとめ
- 子どもと将来の職業について話したことがある保護者は9割超、話す機会は「日常会話」と「進学・進路選択」
- 将来就きたい職業がある高校生の8割が「その職業に就くために、取り組んでいることや努力していることがある」
- 保護者自身の職業・子どもの将来の職業 「好きなこと・得意なこと・資格が生かせる」ことを最も重視
「収入」や「働きやすさ」、「安定していて長く続けられる」ことも気にかける傾向に - 子どもの将来の職業選択 保護者の多くが「生成AIが影響する」と回答
- データサイエンスと他領域の学問を学べる学部・学科 保護者の7割弱が「興味ある」
栄光ゼミナール調べ
子どもに向いている職業は何か考えたことはありますか。
小学1年生~高校3年生の子どもをもつ保護者に、子どもに向いている職業は何か考えたことがあるかを聞いたところ、小学生保護者の88.3%、中学生保護者の89.8%、高校生保護者の93.7%が「ある」と回答した。
「ない」と答えた保護者にその理由を聞いたところ、「子ども自身の将来のことなので、本人に任せているから」という理由が多かった。
子どもと子どもの将来の職業について話したことがありますか。(※1)
どのような機会に話したことがありますか。(※2)
保護者に、子どもの将来の職業について子どもと話したことがあるかを聞いた。小学生保護者の95.7%、中学生保護者の94.7%、高校生保護者の96.9%が「話したことがある」と回答した。
次に、「話したことがある」と回答した保護者に、どのような機会に子どもと話したことがあるかを聞いた。小学生保護者では「日常会話の中で、職業について話題にあがった時」がもっとも多く81.4%だった。中学生保護者では小学生保護者よりは割合は低いものの「日常会話の中で、職業について話題にあがった時」がもっとも多く75.3%、高校生保護者は「受験など子どもの進学・進路を考える時」がもっとも高く、80.8%だった。また、高校生では、「学校内のコース選択や文理選択など履修選択をする時」も約6割にのぼった。
子どもには将来就きたい職業がありますか。(※1)
その職業に就くために、子どもが取り組んでいることや努力していることはありますか。(※2)
保護者に、子どもには将来就きたい職業があるか聞いたところ、小学生保護者の66.3%、中学生保護者の46.6%、高校生保護者の58.5%が「ある」と回答した。
特に中学生保護者では、子どもに将来就きたい職業が「ない」、もしくは「わからない」と回答した割合が、小学生保護者・高校生保護者よりも高かった。
子どもに将来就きたい職業があると回答した保護者に、その職業に就くために、子どもが取り組んでいることや努力していることがあるかを聞いた。小学生保護者の65.0%、中学生保護者の66.3%、高校生保護者の81.4%が「取り組んでいることや努力していることがある」と回答した。将来就きたい職業がある子どもは、その目標に向かって努力する傾向が大きいことが分かった。特に高校生においては、将来の職業が小学生・中学生よりも具体的になり、その実現に向けて取り組んでいることがある割合も高くなると考えられる。
保護者自身が、今までに就いたことがある仕事・会社を選ぶ際に重視したことは何ですか。(※1)
将来、お子様が就く職業について、保護者として気にかけたいポイントは何ですか。(※2)
「保護者自身が今までに就いたことがある仕事・会社を選ぶ際に重視したこと」、および、「将来子どもが就く職業について、保護者として気にかけたいポイント」を聞いた。
重視したい点として最も高かったのは、保護者自身の職業と子どもの将来の職業のどちらも「好きなこと・得意なこと・資格が生かせる」で、保護者自身の職業では70.8%、子どもの将来の職業では86.6%だった。次いで、割合が高い順に「収入」「個人の働きやすさへの施策・取り組みが充実している」「安定していて長く続けられる」と続く傾向は、保護者自身の職業と子どもの将来の職業、いずれも同じであった。なお、2021年の調査では、「個人の働きやすさへの施策・取り組みが充実している」よりも「安定していて長く続けられる」の割合が高く、「働きやすさ」を自身の職業にも子どもの職業にも求める保護者が増えているのではないかと考えられる。
保護者自身の職業と比較すると、保護者自身の職業は「収入」「有名な企業かどうか」、子どもの将来の職業では「好きなこと・得意なこと・資格が生かせる」「グローバルに活躍できる」「生成AIやテクノロジーなどの進歩に取って代わられない」をより重視していることが明らかになった。
保護者自身の仕事や生活に、生成AIが影響を与えていると思いますか。
子どもの将来の職業選択に、生成AIが影響を与えると思いますか。
生成AIの影響について、保護者自身の仕事や生活に与える影響と、子どもの将来の職業選択に与える影響について、保護者に聞いた。
保護者自身の仕事や生活に与える影響については、小学生保護者・中学生保護者・高校生保護者とも「そう思わない」が「そう思う」よりも多い傾向だった。
一方で、子どもの将来の職業選択に与える影響については、「そう思う」と回答した保護者が多く、小学生保護者では75.0%にのぼった。
2023 年の調査と比較すると、保護者自身の仕事や生活、および、子どもの将来の職業選択、いずれも「そう思う」と回答した割合は上昇傾向にあった。
「デジタル・データサイエンス」とその他の学問領域を組み合わせた内容を学ぶことができる学部・学科について、 保護者の方はどの程度興味がありますか。
文部科学省は、理系・デジタル人材の育成を目的に大学の理系学部の新設を推進しており、スポーツ、芸術、経営、農業など、「デジタル・データサイエンス」とその他の学問領域を組み合わせた内容を学ぶことができる学部・学科も新設が予定されている。そのような学部・学科について、保護者がどの程度興味があるかを聞いたところ、「とても興味がある」「やや興味がある」と回答した保護者があわせて7割弱となった。
小学生保護者、中学生保護者、高校生保護者の回答を比べると、特に小学生保護者の「とても興味がある」「やや興味がある」と回答した割合が高かった。
お子様の職業観・勤労観を育むため、ご家庭で取り組まれていることがあれば教えてください。(自由回答方式)
・ジャンルを問わず、本人が興味を持った分野の専門家や大学のワークショップに参加したり、番組を見たりしています。(小学2年生保護者)
・その職業に従事するとこんなことができる、こんな資格があるとあんなこともできる、夢を叶えるためにはこんな勉強をしたらいいなど、夢を実現しやすく身近に感じられるような会話をしています。(小学3年生保護者)
・テレビを見ているときなど、こんな仕事もあるんだね。素敵だね。と声掛けし、みな仕事を持って働いていること、世の中にはたくさんの仕事があり、様々な選択肢があることを常に伝えています。(小学4年生保護者)
・映画監督になりたいそうなので、日頃から文章を書かせたり、読書や映画を積極的に見たりできる環境にしています。絵にもこだわり、美術館や芸術に触れるような体験をしています。(小学4年生保護者)
・コロナ禍だった事もあり自宅での仕事が多くなり、子どもが私たちの仕事に興味を持ち色々質問をしてくることがあります。そんな時は一度手を止め、なるべく子どもの興味に寄り添う事を心がけています。(小学5年生保護者)
・日常会話やニュースの中で知らない職業や興味のある分野の仕事が出てきたら、その職業について一緒にネットで調べたり、書籍を購入して様々な職業について見聞を広めるようにしている。(小学6年生保護者)
・子ども自身が仕事に興味を持っているため、仕事に関する本を図書館で借りてきたり、どんな仕事があるのかネットで探したりしています。また、同時にどのくらい給料がもらえるかも調べ、その仕事に就くために今何をしたらよいかも併せて話し合います。(中学1年生保護者)
・日常生活の中で全てにおいて、人々の仕事の上に、自分たちの生活が成り立っていることを念頭に、ニュース内容や自分たちの仕事上での内容、待遇、人間関係を客観的に具体的に伝えるよう、努めています。(中学2年生保護者)
・父母は好きなことを仕事にすることができたが、好きなこととはいえ仕事になると責任が生まれ、楽しいだけではなく辛いこともあるなど、仕事に向き合う際の心構えや勉強や努力が必要なことなど、我々がやってきたことを具体的に話したりしている。(中学2年生保護者)
・本人に考えさせる事はしても、私から何かこうしなさい、みたいなことは一度もありません。息子のほうがしっかりしていて、夢に向かって、着々と情報収集をしているようです。息子は、独立独歩、あまり多くを語らないので、そっと見守って、応援しています。で、本人の好きな、理系に進んで、思いの丈やりたいことに邁進している姿を早く見たいな、と思っています。(中学3年生保護者)
・性格診断を用いて自分がどんな仕事に向いているか診断し話しあった。(高校1年生保護者)
・大学受験を前に、どの学部で何が学べて、希望職に就けるのかなど、細かく話し合っています。今できること・できないこと、メリット・デメリットなど両方から話し合うようにしています。(高校1年生保護者)
・最近アルバイトを始めたので、職業観、勤労観は身をもって経験できているようです。仕事の後はその日の出来事を楽しそうに話してくれます。(高校1 年生保護者)
・子どもが就きたいと考えている職業に関連する新聞記事などを切り抜いて、そのことについて考える機会を与えている。(高校1年生保護者)
・仕事の中での日常的な出来事や「昇格試験を受けてきた」「プレゼン、発表をした」などの話をし、子どもが学校で取り組んでいる発表やディスカッションは社会に出てからも使うスキルを磨いてるんだと意識して貰えるよう心がけています。(高校2年生保護者)
・家族で時事ニュースなどを観て話しをしている中で、職業とは?働くということは?など、子どもにたくさん自分の意見を話させるようにしています。話しているうちに、思考整理ができることを期待しています。(高校3年生保護者)
栄光の取り組み
栄光ゼミナールでは、小中高生のご家庭を対象とした調査を行っています。
こちらの記事のpdfは下記からご覧ください。
このほかの調査については以下からご覧ください。
栄光の調査一覧
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