「国公立/私立」×「文系/理系」受験科目の基本パターン
更新日:2024/09/112025年度入試では学習指導要領の改訂に伴い、出題教科・科目の変更が予定されています。今回は「国公立/私立」×「文系/理系」、それぞれのパターンでの受験科目をまとめましたので、文理選択や志望校選択の参考にしてください。
目次
国公立大の受験科目
国公立文系の受験科目基本イメージ
■共通テスト(6教科8科目)
外国語/数学ⅠA/数学ⅡBC/国語/地歴公民(2科目選択)/理科/情報
地歴公民
歴史総合,日本史探究/歴史総合,世界史探究/地理総合,地理探究/公共,倫理/公共,政治・経済/地理総合,歴史総合,公共の中から地歴を含む2科目を選択
- 「地理総合,歴史総合,公共」は3つの出題範囲の中から2つを選択する。選択解答したものと、同一名称を含む科目は選択できない。
- 「公共,倫理」と「公共,政治・経済」の組み合わせで選択することはできない。
理科
物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎の中から2科目選択、または物理/化学/生物/地学から1科目選択
外国語
基本は英語。リスニング試験あり
■二次試験
外国語/数学ⅠA・ⅡBC/国語/地理歴史
上記から2~3教科選択
- 主流は2~3教科型だが、東京大、京都大、一橋大、名古屋大などの難関大では4教科を課すなど、科目数、内容は大学・学部によって異なる。
- 後期日程では教科数を1~3教科に減らすケースや、小論文や面接、実技を課す大学もある。また、二次試験を行わず、共通テストの得点だけで合否を決定する大学もある。
国公立理系の受験科目基本イメージ
■共通テスト(6教科8科目)
外国語/数学ⅠA/数学ⅡBC/国語/地歴公民/理科(2科目)/情報
地歴公民
歴史総合,日本史探究/歴史総合,世界史探究/地理総合,地理探究/公共,倫理/公共,政治・経済の中から1科目を選択
理科
物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎の中から2科目選択、または物理/化学/生物/地学から1科目選択
外国語
基本は英語。リスニング試験あり
■二次試験
外国語/数学ⅠA・ⅡBC・Ⅲ/国語/理科
上記から2~3教科選択
- 主流は2~3教科型だが、東京大、京都大、名古屋大などの難関大では4教科を課すなど、科目数、内容は大学・学部によって異なる。
- 後期日程では教科数を1~3教科に減らすケースや、小論文や面接、実技を課す大学もある。また、二次試験を行わず、共通テストの得点だけで合否を決定する大学もある。
- 英語4技能試験を利用する大学と利用方法(一部抜粋)
「東京海洋大」…全学部で出願資格として利用。
「茨城大」…工学部の個別試験でみなし得点として利用可。個別試験と比較し、高得点の成績を採用。
「千葉大」…従来どおり国際教養・文・法政経・教育・理・工・園芸・薬・看護学部で利用可。利用パターンは3通りあり、学部ごとに異なる。
国公立大の基本は6教科8科目型
国公立大の入試は、共通テストの結果と、各大学が独自に用意した二次試験の合計点で合否が判定される場合がほとんどです。その中でどの科目を選択するかは大学側が指定しますが、文系・理系を問わず6教科8科目以上を課す大学が大半です。また、英語4技能試験のスコアは、一部の大学・学部で出願資格や加点、得点換算といった方法で活用されています。スコアによっては共通テストの「英語」を満点とみなす大学もあるので、早くから準備を進めておくと入試に有利です。
国立大は前期・後期の2回、公立大は前期・中期・後期の組み合わせで最大3回のチャンスがありますが、国立大では難関大を中心に後期を縮小または廃止し、前期に一本化する動きが加速していますので、あくまでも第一志望校は、前期で受験するのがセオリーです。
2024年1月時点で、国立大学の96%が、一般選抜での「情報」が必須になることを公表しています。一方、公立大入試の共通テストについて導入校は45%にとどまり、「情報」が必須ではない大学・学部学科もあります。大学によって異なりますので、発表されている情報を入手して確認しておきましょう。
二次試験では、2~3教科の独自問題を課す大学が主流です。ただし、一部の難関大では4教科を課すなど、科目数、内容は大学・学部によって異なります。また、後期では教科数を1~3教科に減らすケースや、小論文や面接、実技を課す大学、二次試験を行わず、共通テストの得点だけで合否を決定する大学もあります。
共通テストでのみ使用する科目は負担が少ないものを選択する
国公立大の文系は理科、理系は地歴公民など、共通テストのみで使用する科目があります。そういった科目は、なるべく学習の負担が少ないものを選びましょう。選ぶポイントを2つご紹介します。
① 時間をかけずに高得点が狙える科目を選ぶ
暗記が得意な人は暗記中心の科目、といったように、自分の特性に合わせて学 習が進めやすい科目を選びましょう。共通テストのみ使う科目を効率的に学習することで、他の科目に割ける時間が多くなります。
② 学校で勉強している科目を選ぶ
学校で受けていない科目を1から勉強するのは、とても時間がかかります。基礎ができている状態から勉強をスタートできるので、学校で履修している科目を選ぶのがおすすめです。
二次試験の出願先は2校用意しておく
二次試験は共通テスト後に行う自己採点の結果によって出願先を決めることになります。そのため、共通テストで思い通り得点できた場合と、そうでなかった場合の2校用意しておく必要があります。前者は、首都圏にある大学で、共通テストの得点の比率が高い大学、後者は、地方にある大学で、1~2ランク低い大学か、二次試験の比率が高い大学が望ましいと言えるでしょう。首都圏にある国公立大をめざす場合、共通テストで高い得点率が必要なため、それに到達していない場合であれば地方の国公立大に変更しなければなりません。しかし、地方の国公立大といっても、共通テストの得点率が低くても問題のない大学はありません。したがって、6教科8科目において得意科目があり、さらに不得意科目がないことが国公立大をめざすうえでの前提条件となります。また、首都圏だけでなく、地方大学も視野に入れておく必要があることを覚えておきましょう。
今後随時発表される共通テストの情報に留意しつつ、入試に関する情報を正確かつ早急に入手すること、さらには塾の先生にアドバイスを仰ぎ、確実に受験対策を進めていくことが大切です。
私立大学の受験科目
私立文系の受験科目基本イメージ
■個別選抜(3教科3科目)
外国語/国語 /地歴・公民 or 数学ⅠA・ⅡBC
国語
古文、漢文を除外している大学・学部もある
現代文のみ | 外国語学部、家政系、その他、一部の大学・学部 |
---|---|
現代文+古文 | ほとんどの大学・学部 |
現代文+古文+漢文 | 文学部と上位校の一部 |
地歴・公民
日本史/世界史/政治・経済/地理の中から1科目選択。ただし、政治・経済や地理のどちらか、または両方での受験を認めていない大学・学部もある。
数学
大学・学部によって試験範囲が大きく異なる。また、数学での受験を認めていない大学もある。
■学部独自試験
①英語民間試験 ②小論文 ③総合問題 ④学部学科の学びに関連する独自問題
①~④のいずれか、もしくは複数を課す大学もある。
■共通テスト利用型 文系の科目
「外国語、国語、地歴公民、数学から選択」といった2~3科目が課されることが多いが、学部ごとに科目を指定している場合や、4科目以上の場合もある。
私立理系の受験科目基本イメージ
■個別選抜(3教科3科目)
外国語/数学/理科
数学
学部系統によって出題範囲が大きく異なるので注意が必要。
ⅠA+ⅡBC | 薬学部、栄養学部、農学部、看護・医療技術学部、 歯学部 |
---|---|
ⅠA+ⅡBC+Ⅲ | 工学部、理工学部、理学部、医学部 |
理科
物理、化学、生物の中から1~2科目を選択する。また、受験科目が指定されている大学・学部もあるので、注意が必要となる。
薬学部 | 化学 |
---|---|
看護・医療技術学部 | 生物 |
工学部・理工学部 | 物理を指定する大学が多い |
■学部独自試験
①英語民間試験 ②小論文 ③総合問題 ④学部学科の学びに関連する独自問題
①~④のいずれか、もしくは複数を課す大学もある。
■共通テスト利用型 理系の科目
「外国語、数学、理科」で2~3科目が課されることが多いが、学部ごとに科目を指定している場合や4科目以上の場合もある。
私立大の基本は3科目型入試方式の複線化が進む
私立大の入試では、1つの大学・学部に複数の受験方式が存在する場合がほとんどです。一見複雑に見えますが、大学独自の試験を課す「個別選抜」と、共通テストを受験する「共通テスト利用型入試」の2つに大別できます。
「個別選抜」では、上の表で示した3教科型が基本ですが、1~2教科だけで受験できる方式や特定の科目の配点を高く設定した方式などがあります。一方、「共通テスト利用型入試」は、共通テストの得点だけで合否を判定するものと、共通テストと個別選抜の結果を総合して判定する方式とがあります。受験科目数は、1科目のみで受験できる大学から、国立難関大との併願がしやすい7科目利用する大学まで、その方式は多種多様です。また、共通テスト前に出願締め切り日が設定されている場合もあるので、注意が必要です。
私立大では、学内併願ができるように選抜日を複数設ける大学が増えてきています。個別選抜後に、再度チャレンジできる「後期日程」や「3月入試」と呼ばれる方式のほか、個別選抜とは別に全学部全学科が同日一斉に試験を行う「全学部日程」、大学の所在地以外の地方でも受験できる「地方試験」、学部・学科ごとに複数日設定された試験日を自由に選択して受験できる「試験日自由選択制度」など、受験生にとっては負担が減り、受験機会が増える傾向にあります。
学部学科ごとに個別の対応が必要
例年、大学入試の選抜要項(日程・定員・出題科目・時間・配点)の発表は7月ごろに行われます。文部科学省が進める大学入試改革の方針を受けて、私立大では自校の特色や教育理念に沿って、独自の入試を実施する大学が増えていますので、志望校を選定して、学部学科ごとへの個別対応が必要になります。
また、2025年度入試からは共通テストに新たな教科として「情報」が追加されます。2024年1月時点で国立大学の96%が「情報」を必須にすると公表しています。ただし配点比率は高くない大学も多くありますので、志望校・志望学部での扱いはよく確認しましょう。
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