中学受験に失敗しないために-失敗の原因と不合格だった時にすべきこと-

更新日:2024/10/25

お子さまの将来を考えて中学受験を検討しているものの、「もし、失敗してしまったらどうしよう…」という不安を持っていらっしゃる保護者の方が多いかもしれません。ですが、そもそも「中学受験の失敗」とはどのようなことを指すのでしょうか。今回は、「不合格=失敗」と単純にとらえるのではなく、中学受験における本当の意味での「失敗」について考えてみるとともに、失敗の原因や志望校に不合格だった時の対処法を紹介していきます。

目次

中学受験に「失敗」。その定義は?

「第一志望校に合格できなかった」、「受験校すべてに落ちて公立中学に進学することになった」など、目標を達成できなかった場合に、「中学受験に失敗した」と捉える方が大半でしょう。特にお子さまは、「不合格」という結果を失敗と判断してしまいがちです。しかし、その結果は本当に失敗だと言い切ることができるのでしょうか。お子さまにとって、中学受験の経験を未来の足かせにしないためにも、中学受験の失敗とはどんな状態を指すのかをしっかり考えてご家庭なりの定義を求め、打開策を見つけておくことが大切です。

「不合格」を貴重な体験として捉える

中学受験はお子さまの人生における1つの通過点でしかありません。もちろん、第一志望校に合格することが理想ですが、それよりも大切なのはお子さまが受験を終えた時に「チャレンジしてよかった」と思えること。そして、もし不合格だったとしても、受験勉強で得た学力や精神力を糧に、「次はもっと頑張ろう」と新たな意欲を持てることです。実際、中学受験で悔しい思いをしたお子さまが高校受験で難関校に合格するケースも多くあります。そうなれば、中学受験での不合格は失敗ではなく、さらに力を磨くための試練だったととらえることができるはずです。

受験生の親としての覚悟を決めておく

中学受験は親の介入が必要になる場面が多く、お子さまと二人三脚で進めていくものですが、入試の合否にかかわらず、受験が成功だったと思えるかどうかは親次第と覚悟しておくことが大切です。「不合格だったらどうしよう」と不安に考えるのではなく、「たとえ思い通りの結果にならなくても、中学受験を通じて子どもに大きく成長してほしい」と前向きな気持ちで挑めるよう、受験生の親として心の準備をしておきましょう。

中学受験失敗の原因は?

お子さまを精一杯サポートしようと努力したにもかかわらず、「中学受験に失敗した」と振り返る保護者の方々は、何が原因だと感じているのでしょうか。ここでは、中学受験の失敗談としてよく聞かれる声とその対処法をご紹介します。

すべり止めを受験しなかった

第一志望校だけを受験し、すべり止めは受験しないご家庭があります。どうしても第一志望校に入ってほしいという強い思いがあってこその判断かもしれませんが、リスクの高さを考えてもあまりおすすめできません。それまで合格ボーダーを超える成績をキープしていたとしても、入試本番でお子さまが過度な緊張に見舞われ、実力を発揮できないことも十分に考えられます。精神的に余裕をもって本命校の入試に臨むためにも、合格を確保できる併願校を受験すること。1校でも合格したという成功体験を得たうえで第一志望校の受験に臨めるよう、受験のスケジュールを立てることが大切です。
併願校の選定にお悩みの場合は豊富なデータをもとにお子さまの性格やご家庭の方針に合う学校を紹介してくれたり、併願校のプランも考えてくれるような塾を選ぶとよいでしょう。

また、最近増えているのが、「公立中高一貫校だけ受けて、私立中学は受験しない」というケースです。学費を抑えながら質の高い教育を受けられるとして人気の公立中高一貫校ですが、倍率は7~8倍と高く、非常に狭き門、合格を勝ち取るのは容易ではありません。さらに、公立中高一貫校では教科の枠を超えた総合力を問う「適正検査」が課されるため、対策にもかなりの時間を要するものです。このことからも、公立中高一貫校をめざすのであれば、適性検査型の入試を実施している私立中学の併願をぜひ検討してみてください。それでも、公立中高一貫校だけを受検するのであれば、公立中高一貫校を取り巻く厳しい実情をお子さまと共有し、「せっかくのチャンスだから挑戦するだけしてみよう」といった心にゆとりをもって受検することが大切です

志望校の選択に問題があった

中学受験では複数校を併願するケースが大半で、1人平均5校を受験しています。すべて不合格になるリスクを回避するためには、併願校は同レベルの学校を選ぶのではなく、チャレンジ校・実力相応校・安全校と難度に差をつけて選ぶようにしましょう。また、東京都と神奈川県の私立中学入試解禁日は例年2月1日となっているため、多くの私立中学がこの日に入試を実施しています。第一志望校が東京都や神奈川県にある場合は、千葉県や埼玉県など1月に入試を実施する確実に合格できそうな私立中学を受験し、本命の受験前に合格校を確保しておくとよいでしょう。入試本番の緊張感を経験できますし、合格校があることはお子さまにとって「お守り」のような安心感を与えてくれるはずです。合格校を持たないまま、同難度の学校ばかり受験してしまった方が、志望校の選び方を失敗したと感じているようです。

偏差値だけで選んでしまった

志望校選びの指標のひとつとなる偏差値ですが、そればかりに捉われてしまうと正しい選択ができないことがあるので注意が必要です。私立中学では、学校ごとに入試問題の出題傾向に大きな違いがあります。例えば、多くの問題を素早く解く力が求められる開成中学(東京都荒川区)に対し、じっくり考えて答えを導き出す出題が多いと言われる麻布中学(東京都港区)など、偏差値が近い学校であっても難しさの種類が異なります。そのため中学受験においては、お子さまの得意・不得意を理解したうえで入試問題の傾向から志望校を選ぶことも重要なポイントです。

子どもの学力に合っていなかった

親は、我が子に期待する気持ちが強ければ強いほど、その実力を高く見積もってしまいがちです。また、「せっかく私立中学に行かせるのだから」と背伸びをし、難度の高い学校を選んでしまうことも多いようです。しかし、お子さまの実力に見合わない学校ばかりを選んでしまうと、どこにも受からなかった、あるいは入試の雰囲気に慣れるために試し受験した学校にしか受からなかったなど、不本意な結果で終わる可能性が高くなります。大切なのは、お子さまの実力を冷静に見極めたうえで志望校を選ぶこと。客観的な見方が難しいと感じるのであれば、塾の先生など専門家の意見を参考にするとよいでしょう。

志望校の順位づけにこだわりすぎた

第一志望校を決めることはお子さまのモチベーションを保つためにも大切ですが、受験校に順位をつけ、それにこだわりすぎると、不合格だった場合のショックが大きくなってしまいます。第二志望以下の学校は順位をつけず、お子さまに合うかどうかという視点で選びましょう。中学受験で第一志望校に入学できる人は3割とも言われるほど狭き門です。第二志望以下の学校であっても、前向きな気持ちで通うことのできる学校を選ぶことが大切です。そのためにも、偏差値や大学進学率といったデータだけで判断するのではなく、学校の特色や校風などをしっかり調べておくことが必要です。気になる学校はできるだけ学校説明会や文化祭に参加するのがおすすめ。実際に校舎に訪れ、先生や在校生の様子を見ることで入学後のイメージをつかみやすくなります

家庭の方針が定まっていなかった

中学受験に対する夫婦間の意見が一致していないことも、失敗を生む原因のひとつとなります。例えば、母親は「どうしても私立中学に」、父親は「偏差値50以下の私立中学なら地元の公立中学に」などと、夫婦間の意見がぶつかることがよくあるようです。このケースの場合、中学受験の偏差値が高校受験や大学受験よりも低くなることを、父親が理解していないことが原因であることも。父親が仕事で忙しく受験に介入しにくいご家庭であっても、母親から情報を提供し共有するなど、家庭の方針を一致させておくことが重要です。

入試本番で実力が発揮できなかった

受験に向けて精一杯努力してきても、本番当日、緊張して実力を発揮できなかったという声もよく聞かれます。受験のサポートというと学力面にばかり目が行きがちですが、入試当日の心構えや注意点に至るまで細かく伝えておくことが大切です。お子さまが不安なく入試に臨み、本来の実力を発揮するためにどのような点に気をつけるべきか、先輩ママや塾の先生の意見を参考にするとよいでしょう。塾の先生であれば、直接お子さまにアドバイスしてもらうことができます。

志望校に不合格?失敗した時の親の対処法

中学受験は厳しいものです。第一志望校に合格できる子もいれば、残念ながら不合格になってしまう子もいます。「落ちた時のことは考えたくない」と思われるかもしれませんが、失敗した後のことまで想定し、お子さまに適切なケアをしてあげられるよう準備しておくことが大切です。

結果をひきずらない

お子さまの頑張りを近くで見守ってきたからこそ、不本意な結果だった場合、親のショックも大きいものです。しかし、一番つらいのは受験したお子さま本人です。最も身近にいる親だからこそ、できるだけ早く気持ちを切り替えてお子さまと接しましょう。親が落ち込んだ姿を見せてしまうと、お子さまも責任を感じてしまい、失敗したという意識が大きくなってしまいます。たとえ思いどおりの結果にならなかったとしても、お子さまの努力をきちんと認めてあげるようにしてください

合格するまで受験を続ける

合格へのこだわりが強いお子さまほど、すべて不合格になってしまった場合に、自己肯定感を失ってしまうことがあります。そのようなケースでは、あらかじめ入試日程が遅い私立中学を調べておいたり、二次募集や三次募集の情報を集めたりするなど、「合格するまで受験を続ける」体制をとれるようにしておくのもひとつの方法です。お子さまが失敗を引きずり次のステップに進めないようなら、納得するまで挑戦させてあげることも大切です。

次の目標を設定する

中学受験が不本意な結果に終わった場合、「高校受験ではもっとレベルの高い学校を目指そう」など、早い段階で次の目標を設定するようにしましょう。新たな目標を掲げることで意欲的に中学生活をスタートすることができます。中学受験はあくまで人生のひとつの通過点。たとえ、そこでつまずいたとしても挽回するチャンスはこの先いくらでもあるのだという意識をお子さまと共有しておきましょう。

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中学受験は長期戦。合格をつかむには、学力の向上だけでなく、精神的なサポートも必要となります。栄光ゼミナールは先生と生徒の距離が近く、お子さまの小さな変化も見逃しません。日常の小さな悩みごとでも気軽に相談しやすい環境と雰囲気の中で、学力面、精神面双方の成長をしっかり支えていきます。

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