東京都立高校受験の仕組みを解説!近年の受験動向と受験のポイントは?

更新日:2024/06/05

定期テストでケアレスミスしちゃって点数が下がっちゃった...
都立高校入試は3年になったら内申点がかかわってくるから頑張らないと...

調査書が関わってくるのは推薦入試だけの話じゃないの?一般入試しか考えてないから関係ないや

ちょっとまって!!
都立高校受験は推薦入試、一般入試の両方に
内申点(調査書点)がかかわってくるよ!

え!?一般入試にも内申が関わってくるんですか!?

都立高校受験のキーワードは「7:3」だ!
都立高校の一般入試では学力検査と内申点(調査書点)を7:3の比率で計算して合否が判断されるんだ。

学力検査の点数だけで決まるわけではないんですね。

そうだよ。しかも実技の4科目は2倍で計算されるから、気は抜けない。
都立高校は3年生の調査書点(内申点)が評価対象だから、1・2年生の今、自分の調査書点(内申点)が何点くらいあるかを計算しておくと3年生ではどのくらい頑張らなければいけないかがわかるね。

でも、内申の出し方って複雑ですよね…
計算していると、いつも途中でわからなくなってしまって…

確かに計算が難しいよね。
この後、都立高校受験の仕組みを解説するから一緒に計算してみよう!

目次

都立高校受験の仕組み

東京都立高等学校入学者選抜は、学力検査による選抜を行う「一般入試」と、個人面接や集団討論を課して選抜を行う「推薦入試」の2種類です。一般入試、推薦入試ともに、当日検査の結果だけで合格を決めるわけではなく、中学校の各教科の評定を点数化した調査書点(内申点)も重要になってきます。学力検査で点数が取れる学力を身につけるのはもちろん、調査書には中学校の学習の成果が表れるので、できるだけ良い成績をとっておくことが大切です。また、都立高校は他の都立高校と併願はできません。都立高校が第一希望の場合でも、私立高校の併願受験しておくのが一般的です。

都立高校の受験日と募集人数

例年、東京都の推薦入試は1月下旬一般入試は2月下旬の日程で実施、募集人数は学校によって異なりますが、一般入試の方が多くなっています。

都立高等学校入学者選抜日程

令和7年度入試の受験日は推薦入試が1月26日(日)・27日(月)、一般入試が2月21日(金)に実施されることが発表されています。

参照:令和7年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について

都立高校の受験料

都立高校の受験料は一律で2,200円です。
合格すると入学金や授業料などの初年度納付金など受験後にも様々な費用が掛かってきます。その他にかかる費用は高校受験、高校の学費はいくらかかる?で解説しています。

学力検査に基づく入試(一般入試)

都立高校受験で当日の5教科による学力検査と調査書によって合否が決まる選抜のことを一般入試といいます。一部の学校では学力検査に加えて、面接、作文、小論文、実技検査を行う場合もあります。

選抜方法

学力検査は試験当日に獲得した点数調査書点(内申点)は3年生の評定が利用され、学力検査と調査書点(内申点)を元に満点が1,000点になるように換算します。都立高校の学力検査と調査書の比率は7:3なので、学力検査の得点は700点、調査書点(内申点)は300点満点となります。令和5年度入学者選抜から、新しくスピーキングテスト「ESAT-J」の点数が加わり、総合得点は1020点満点になります。スピーキングテストについては下で詳しく説明します。

学力検査について

実施教科:国語・数学・英語・社会・理科

都立高校のほとんどの学校では基礎を重視した共通問題(マークシート方式)で学力検査をおこないますが、例外もあります。

自校作成問題を出題する学校

英数国が自校作成問題,理社は共通問題の高校

日比谷・西・国立・戸山・青山・立川・八王子東・新宿・墨田川・国分寺

英語が自校作成問題,数国理社は共通問題の高校

国際高校

自校作成問題には応用問題が含まれ難度が高いのが特徴です。また、マークシート方式ではありません。これらの学校については志望校に合わせた対策が必要です。

学力検査の得点を上げるには、定期的に模試を受けよう!

テスト対策は定期テストのときだけで十分…と思っていないでしょうか?
定期テストでは良い点数がとれても、模試では点数がとれない人は意外と多いですよね。これは、定期テストは出題範囲が狭いため短期間で対策ができますが、模試は出題範囲が広く1年生で習ったことも出題されるため、解き方を忘れてしまっていたり、苦手なまま進めてしまっていたりすることによって解けない問題が出てくるからなのです。入試問題は中学校の過程で学んだ範囲すべてから出題されるので、解けない問題を出さないためにも1・2年生のうちから模試を受けて、自分の苦手を把握することが大切です。
栄光ゼミナールでは、1年生のうちから定期的に塾内模試(統一模試)を行なっています。また、3年生になったらVもぎなどの外部模試を受験することで実戦力を養いましょう。得点や偏差値はもちろん、現時点での志望校判定、教科別の分析があるので苦手単元がすぐにわかるのです。

調査書について

調査書に記載されるのは3年生の9教科の評定です。その9教科の評定を300点満点で点数化します。

調査書点の計算方法

学力検査を実施する主要5教科の点数はそのままで、実技4教科は2倍という考え方です。普段から実技教科にも真剣に取り組みましょう。

英語+数学+国語+理科+社会+(音楽+美術+技術/家庭+体育)×2=調査書点素点(65点満点)

実際に計算してみよう!

1・2年生のみなさんは早いうちに自分の実力を確認することで、行きたい高校へ行くにはどのくらいの調査書点(内申点)が必要なのか、当日はどのくらいの点数をとらなければいけないのかが見えてきます。今回はAさんを仮定して計算をしていくので、自分の通知表と模試の成績を用意して、一緒に計算してみましょう。

●Aさんの評定(例)
国語数学外国語
(英語)
社会理科音楽美術保健 体育技術・
家庭
443352433

まずは"評定の合計点"を出そう!

①学力検査のある5教科の合計

4(国語)+4(数学)+3(英語)+3(社会)+5(理科)=19点

②学力検査のない4教科の合計を2倍に

2(音楽)+4(美術)+3(保健体育)+3(技・家)=12
12×2=24点

①+②=評定の合計点

19+24=43点

調査書点の満点は300点、評定の満点は65点だから、

300×43/65=198.46153

となり、小数点以下は切り捨てる決まりなので、

Aさんの調査書点は198点ということになりますね。

●Aさんの学力検査の点数(例)
国語数学外国語
(英語)
社会理科
7065758060

学力検査5教科の合計点が350点、学力検査は500点満点から700点満点に換算するので

350×700/500=490点

これが選抜に使われる学力検査の得点になります。
そして、学力検査の得点に調査書点とESAT-Jの結果(0~20点)をくわえた点数が合格を決める総合得点です。

Aさんの総合得点は 198+490(+0~20)=688点(+0~20) となります。

一般入試にも大きな影響を及ぼす調査書点(内申点)は要注意!

計算していて気が付いた人も多いと思いますが、都立高校受験では一般入試にも調査書点(内申点)が3割関係してくるので要注意です。特に実技4教科は主要5教科の倍の比率になるので、調査書点(内申点)が1ポイント上がると約10点分の得点が上がることになります。主要5教科の定期テスト対策はもちろん、実技4教科でも定期テストや提出物の提出など、手を抜かないことが必要です。
定期テストの成績がなかなか上がらない人は、栄光ゼミナールの定期テスト対策に参加してみましょう!中1・2の授業では、新しい単元を学習したあとに定期テストに向けた学習を毎週実施しています。また、授業を体験した人は栄光ゼミナールの自習室を利用できるので活用してみてください。塾の中で勉強するので、わからない問題があったらすぐに質問できたり、周りの人もみんな集中しているのでやる気がわいてきたりと、良いことがたくさんありますよ!

スピーキングテスト

東京都ではスピーキングテスト「ESAT-J」の結果が合否判定に活用されています。英語における4つの技能のうち、「話す力」を測れるようにするものです。スピーキングテストの評価はA~Fまでの6段階で調査書に記載され、志願先に提出されます。従来は学力検査700点+調査書点300点で総合得点は1000点満点でしたが、新しくスピーキングテストの点数が加わり1020点満点になります。すべての得点を合計し、点数が高い順に合格が決まります。
スピーキングの力は一朝一夕に身につくものではありません。普段の授業から音読や発表の機会を通して英語を積極的に話すようにしていきましょう。

推薦に基づく入試(推薦入試)

都立高校の推薦入試は、一般入試とは違い学力検査が無く調査書と個人面接や集団討論などの当日検査によって合否が決まります。出願には通っている中学校の校長先生から推薦が必要です。しかも、推薦入試の募集人員は普通科のほとんどが定員の20%と少なく、倍率は平均2倍を超える激戦です。受験する人は1度目のチャンスという考え方で臨みましょう。

推薦入試の合否判定方法

調査書

記載される評定は中3のみです。9教科5段階45点満点の評定、または9教科のABC3段階の観点別評価が使用されます。(大半は5段階の評定を使用)

当日検査

個人面接
全校で実施

出願時に志望理由等を記入した提出した自己PRカードを資料にして実施されます。受験生1人につき、10分程度です。どんな対策が必要なのかは以下の記事を参考にしましょう。

集団討論

一部の学校で実施

5・6人のグループとなり、テーマを与えられ討論をします。討論の内容からコミュニケーション能力や協調性、思考力・判断力・表現力などが評価されます。討論の進め方は学校によって違います。

小論文または作文・実技検査・学校指定の検査

小論文または作文・実技検査・学校指定の検査のうち、必ず1つ以上が行われる。

普通科では、ほとんどの学校が「小論文または作文」が選択されています。

推薦入試の配点

選考は調査書と当日検査を各学校が決めている配点で点数化しておこないます。配点は、調査書点(内申点)を50%以下とするルールがあります。その合計得点の上位から順に合格となります。例としていくつか高校の配点を見てみましょう。

▼令和6年度の配点例

調査書(内申) 個人面談・集団討論 小論文・作文
国立 満点 450 150 小論文 300
比率 50.0% 16.7% 33.3%
向丘 満点 500 300 小論文 200
比率 50.0% 30.0% 20.0%
三田 満点 100 250 作文 250
比率 16.7% 41.7% 41.7%

推薦で合格を狙うなら調査書点(内申点)対策をしっかりと!

東京都の調査書に記載されるのは中学3年生の評定のみですが、3年生の評定は1・2年生の成績を加味した点数がつけられます。そのため、3年生だけ頑張っても何ポイントも上げることは難しいのです。1・2年生のうちから定期テストや提出物にはしっかり取り組みましょう。
また、油断しがちなのが理科・社会の勉強です。理科・社会は単元ごとに必要な知識が変わってくるので、きちんと試験対策をすると成績につなげることができます。

東京都立高校の近年の受験動向

推薦は平均倍率の高い狭き門

2024年1月26・27日に実施された推薦入試は、全日制全体の平均倍率が2.48倍でした。これは近年で最低だった前年度とほぼ同じです。推薦ばなれの傾向も見られるなか、2021年度にはコロナ禍で受検の早期決着を望む生徒が増え2.78倍まで上昇しました。しかし、これは一時的な現象に終わり、平均倍率は安定した状況に戻ったようです。2.48倍は依然として厳しい倍率ですが、上位校や人気校の中にはさらに目を見張るような高倍率の学校もあります。新宿は5.91→7.66倍、三田は2.95→5.31倍に高騰しました。

「男女合同選抜」移行の影響

都立高校入試で特に注目されたのは、普通科の男女別定員が廃止され、「男女合同選抜」に移行したことです。
2024年度、全日制の平均倍率は1.35倍で前年とほぼ変わりませんでしたが、普通科は制度変更により合格ラインが予測しにくかったこともあり、受検校選びでより慎重になる安全志向が強まったと見られます。

特に23区内は、日比谷、西、小山台など、中堅レベル以上の学校で受検生が減少する傾向がありました。2025年度は反動で倍率が上昇する可能性があることに注意しましょう。ほかにも23区内を見ると、中堅~中堅上位レベルの雪谷、田園調布、目黒、広尾、石神井、鷺宮、文京などで受検者が減り、倍率が下がりました。

2024年度は男女合同選抜に移行するという大きな制度変更による安全志向が見られましたが、それも次年度には薄れて、中堅~上位レベルの学校にチャレンジする受検生が全体的に増加することもあり得ます。

スピーキングテストは20~12点に受検生が集中

令和6年度入試でのスピーキングテスト(ESAT-J)の結果は以下の通りです。

得点評価入試での得点換算今回の結果
100~80A20点25.3%
79~65B16点29.2%
64~50C12点26.0%
49~35D8点11.9%
34~1E4点6.5%
0F0点1.1%

評価の分布を見ると、受験生の半数以上がA評価またはB評価でした。C評価まで含めると、全体の約8割に達しています。AとCの入試での得点差は8点にとどまるので、少なくともC評価(50点以上)までに入れる力は必須であり、できれば比較的到達しやすいB評価(65点)以上を得たいところです。

2024年秋に実施されるものから作問・採点などを一括して請け負う民間事業者が代わるため、出題形式や傾向に変化があるかもしれません。日々の英語学習のなかでスピーキングの経験を重ねるなどして対策を行い、「話す力」を伸ばしていきましょう。

栄光ゼミナールの都立高校受験対策について

栄光ゼミナールの高校入試対策コースでは都立高校受験に対応できる学力の養成と調査書点(内申点)のための定期テスト対策など、志望校合格のためのサポートを行っています。

定期テスト対策指導が充実しています。

推薦入試はもとより、一般入試でも比重が大きい調査書点(内申点)は3年生だけ頑張っても上がるものではありません。中学1・2年生から定期テスト対策をきちんと行うことが3年生の成績を作っていくのです。

毎週実施される「定期テスト対策」

栄光ゼミナールの中1・2の授業では、新しい単元を学習したあとに、定期テストに向けた学習を毎週実施しています。毎週取り組むことで、学校の学習内容の理解を深め、定着を図ります。また、試験直前になってから提出課題にあわてないように、日ごろから少しずつ進めることもできます。

定期テストで高得点を取るためには、計画・実行・振り返り・改善がとても大切です。毎週授業内で実施している定期テスト対策と併せて、定期テストに向けた学習計画を立てています。そして、その計画がしっかりと実行されているか、確認しながら授業を進めていきます。テスト終了後にはもちろん振り返りを行います。よい結果が得られていればたくさん褒め、課題があればそれを分析し次への改善に繋げていきます。

※栄光ゼミナールでは、法令に則り塾内で学校の定期テストを使用した授業や補講は実施いたしません。また学校の定期テストを複製することや配布することもしておりません。

確かな学力の定着で学力検査対策も万全です。

栄光ゼミナールでは基礎から知識を積み重ねていき定着させる指導と、公立高校入試に特化した教材を使って行う入試対策指導で、学力検査に対応できる力を身につけていきます。基礎をしっかりと積み重ねることで、高校受験の先にある大学受験においても大きなアドバンテージを作ることができます。

実力が発揮できるよう都立の入試問題形式に特化した指導も行います。

栄光ゼミナールでは、普段の授業以外にも、受験生が都立の入試問題に触れる機会を多数用意しています。入試本番に実力が発揮できるよう、過去問対策や模試などで都立の入試形式に充分慣れておくためです。

都立共通問題5教科を徹底対策特別講座「東京都立入試対策ゼミ」

特別講座「東京都立入試対策ゼミ」では、都立問題の出題傾向に特化した専用教材「都トレ」を使用し、入試本番で与えられた時間内にミスなく実力をフルに発揮できるよう指導していきます。なお、このゼミでは成績別でクラスを編成し、上位校を目指すクラスでは、自校作成問題対策も実施します。特別講座は近隣の教室複数と合同で行うため、違う教室の生徒が一同に集まります。同じ目標を持つ仲間と刺激し合いながら志望校合格を目指し勉強できます。

栄光の高校受験対策では都道府県によって異なる高校入試の制度や出題傾向、最新の受験情報をもとに、進路指導を行ったうえで目標達成に必要な学習プランを作成し、苦手対策、定期テスト対策、志望校対策も、講師が生徒1人ひとりに寄り添って指導します。少人数で発言や質問がしやすく、仲間と切磋琢磨しながら成長できるグループ指導と、先生と隣り合わせでわからないところや苦手を中心に、自分のペースで学習を進められる個別指導があります。自分に合った指導形態で合格に向かって効率よく学習を進めることができます。家庭学習指導にも力を入れており、志望校合格に必要な学習内容をご提案。また、模試の結果を細かく分析したうえで苦手分野を徹底的に対策することで成績向上につなげます。

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