プロが教える中学生のための理科勉強法

更新日:2024/04/18

公立高校を受験するには英数国理社の5教科を中学3年間分勉強しないといけませんが、英数国に時間を取られがちで理科・社会がおろそかになってしまう人が多くいます。しかし、理科は勉強の方法を理解すれば、成績が上がりやすい教科です。効率的な理科の勉強法を身につけて高校受験を有利に進めましょう。今回は栄光ゼミナールの理科指導のプロに、高校受験における理科の勉強法を聞きました。

目次

1. 高校受験の理科の成績を上げる勉強法

"わかった気"をなくす

理科は暗記教科という印象があり、重要語句を覚えていれば点数が取れるというと思っている中学生が多いですが、これが最大の落とし穴だと感じています。「理科が苦手」という中学生の相談を受け、話を聞いてみると、理科の勉強は暗記だけで"わかった気"になって、演習をしていないことが多いのです。
なぜそういう中学生が多いのかというと、理科の語句がその現象をそのまま表していることが多いのが原因ではないかと考えます。例えば「等速直線運動」。これは文字を見れば「同じ間隔で真っすぐ進む運動」だなと意味がわかります。
そのため、理解したつもりになって演習をおろそかにしてしまい、実際テストで問われると、「あれ? 何だったっけ?」となり、正確に答えを書くことができなくなってしまうのです。

高校受験の理科の攻略法は"演習~慣れる"を徹底する

理科の勉強は、まず知識を固めることが重要です。まとめノートを作ったり、重要語句がまとまっている問題集を利用すると、重要語句とその仕組みや関連性がわかるようになり効果的です。

次に知識がきちんと身についているか、実際の問題を解くことで確かめます。繰り返し演習を行うことで、"わかった気"になっていた部分を再度確認することができるとともに、問題形式に慣れることもできます。

まとめノートを作るコツ

まとめノートは、作っている時は頭の中で知識が整理されますし、できあがったノートを見返すのも効果的です。ノートを作るときは消化器官の図と血液循環の図を並べて描くなど、関連する表や図を並べていくと、全体像が掴みやすく、記憶の定着もよくなります
ただし、残り時間が限られた入試直前などから、まとめノートを作ることは非常に非効率です。重要語句がまとまっている問題集などを活用して覚えるようにしましょう。

問題集の選び方

問題集は、目的別で選ぶとよいでしょう。基礎がまとめられ、語彙の確認など簡単な問題のみが載っているものは定期テスト向け。公立高校の入試対策には、問題が全国の公立入試の過去問から抜粋されているものを選びましょう。難関高校を志望する人は難易度の高い問題演習のみが載っているものを利用するとよいでしょう。また、参考書とセットになっているものは、自分で一から勉強し直したいという時に有効です。

苦手な単元をきちんと把握する

演習を繰り返す中で、苦手と感じる単元が出てくることがあります。その時は、物理・化学・生物・地学の4分野のどれかを確認しましょう。
理科は数学などとは違い、積み上げ型の教科ではないため、できる単元とできない単元がはっきりと分かれてきます。
苦手な単元を1つずつ消していくと、最終的にすべてできるようになります。もちろん、すぐに模試の結果に現れるとは言えませんが、根気強く克服していけば、必ず点数に繋がります。

☑各単元が理解できているかチェックしてみよう!

理科 単元表

2. 苦手になりやすい単元

中学生が理科で一番苦手なのは"目に見えない"ものを理解しなければいけないこと。圧力や電流、原子、分子など、目に見えないものは想像がつきづらく、この単元は苦手な人が多い傾向があります。
以下に挙げる単元はつまずきやすい単元なので、勉強をする際は特に気を付けましょう。

【中学2年の場合】電流(「電流とその利用」より)

中2の電流は特に苦手な人が多い単元です。小学生の頃は、乾電池をつないで豆電球を光らせる実験などで、その豆電球が光る様子を実際に目で見ることもできましたが、中学になると、電流という目に見えない流れが現れ、想像しにくくなるのです。しかし、仕組みを正しく理解することで問題が解けるようになり、公式を使うタイミングもわかってきます。

【中学2年の場合】原子・分子(「化学変化と原子・分子」より)

原子・分子は、普段の生活で耳にすることが少なく、もちろん目にも見えません。さらに、酸素と言っても問題の中ではO(酸素原子)で出てくる場合もあれば、O2(酸素分子)になったり、銅と結合してCuO(酸化銅)になるなど、仕組みが複雑なうえ、元素記号や化学式など、覚えることが多いのが特徴です。
最初は戸惑うことが多い単元ですので、演習で繰り返し化学式に触れ、慣れることが必要です。

【中学3年の場合】天体(「地球と宇宙」より)

中3はどの単元も難しいですが、特につまずきやすい単元が天体です。ほとんどの中学校において入試直前、2学期の期末テスト前後で学習する単元のため、難しい単元にも関わらず、問題演習量を十分に確保することができないことも原因の1つです。また、「なぜ南中高度は夏に高くなって冬に低くなるのか」といった問題のように、天体はスケールが大きすぎて想像しづらいため、理解しにくいのです。

3. 高校受験の理科の攻略法

中3の学習スケジュールの立て方

どの都道府県でも学校成績が内申点として合否に利用されるので、3年次の内申点が決まる10月までは、学校での学習に力を入れることが重要になります。その間は学校の授業と1・2年生の復習を並行して行いましょう。春休みや夏休みなどの長期休暇を利用し、9月までには1・2年の復習を終えられるといいですね。

理科 入試までの学習スケジュール

栄光ゼミナールのカリキュラムでは10月末までに中学3年分の学習を終え、11月から入試対策の演習を行っていきます。学校のペースでスケジュールを組んでしまうと入試対策の時間が少なくなってしまうため、自分で受験勉強をするときも同様のスケジュールを組むことをおすすめします。

入試問題の対策法

公立高校では、中1から中3までの内容がまんべんなく出題されます。数学などとは違い、理科は単元ごとに独立した知識が多く、4分野から幅広い知識が問われます。基本的には基礎知識を固めていくことが大切ですが、近年では知識で答える1問1答形式以外に思考力問題も増えていますので、暗記知識だけでは解くことができません。こういった問題に対応するには、問題演習を多く行い知識を定着させるとともに、問題形式に慣れることも重要です。

過去問の落とし穴

過去問は、解くだけで1教科50分かかります。5教科解くと250分、つまり4時間10分と相当な時間がかかります。ただし、これほど時間を使っても、この時間は学力チェックをしているだけで、実力はまったく伸びていません。そのため、過去問の結果で一喜一憂して終わってしまっては、まったく意味がありません。採点後、間違えた問題は解説を読んできちんと理解し、自分が弱い単元をさかのぼって復習し直すことが大切です。

理科は得点源ととらえるべし

どうしても皆さん英数国に時間を割かれがちですが、覚えておいて欲しいのは、どこの都県でも、配点は理社も英数国と同じだということ。さらに近年では、各都県で理社の得点分布が広く差がつきやすい傾向にありますので、理科の対策をどれだけできるかが、合否に大きく影響するとも言えるでしょう。理科は、他教科に比べて点数を上げやすい教科ですので、直前期こそもっとも力を入れたい教科なのです。

理科の勉強が不安なら栄光ゼミナールにお任せください

定期テスト対策と受験対策の両方を意識した指導

栄光ゼミナールのカリキュラムでは、入試演習期間を確保するために、学校よりも少し早いスピードで進み、中3の10月末頃までに3年間のカリキュラムを終わらせます。また、春期講習や夏期講習時には1・2年生の復習を進め、入試演習の時間と量をきちんと確保することで、入試に向けた理科の学力を確実なものしていきます。

地域ごとの出題傾向に合わせて指導

理科は単元ごとに独立したものが多いので、点数につながりやすい教科です。理科できっちりと点数をとるには、入試傾向をきちんとつかむことが大切です。しかし、同じ公立高校の入試問題でも、都立の場合は選択肢問題が多く、埼玉県の場合は記述解答が多いなど、都道府県で出題傾向は大きく異なります。
栄光ゼミナールでは、中3の入試演習では地域ごとの入試傾向に合わせた問題を使用し、高校受験に精通した教師が指導を行います。また、塾内模試の出題形式も3年次からは各都道府県の入試傾向に合わせるなど、自然と入試問題に触れる機会を増やし、入試傾向をつかむことができるようカリキュラムが組まれています。

塾にできること

「どうしても自宅では学習に身が入らない...」「ひとりで勉強しても集中できず成績が上がらない...」「模試や入試対策の勉強法がわからない...」。そんな悩みを抱える皆さまには塾通いをおすすめします。塾には、同じ高校受験に挑み、合格を目指す仲間が集まります。中学校のクラスとは違うメンバーと一緒に学ぶことで、お子さんの勉強意欲も高まるでしょう。また、栄光には塾生なら誰でも自由に使える自習室を完備していますので、誘惑に負けずに集中して学習に取り組めます。わからないことがあれば、すぐに先生に質問できるので、「家より集中できる!」と生徒たちにも人気です。

栄光の高校受験対策では都道府県によって異なる高校入試の制度や出題傾向、最新の受験情報をもとに、進路指導を行ったうえで目標達成に必要な学習プランを作成し、苦手対策、定期テスト対策、志望校対策も、講師が生徒1人ひとりに寄り添って指導します。少人数で発言や質問がしやすく、仲間と切磋琢磨しながら成長できるグループ指導と、先生と隣り合わせでわからないところや苦手を中心に、自分のペースで学習を進められる個別指導があります。自分に合った指導形態で合格に向かって効率よく学習を進めることができます。家庭学習指導にも力を入れており、志望校合格に必要な学習内容をご提案。また、模試の結果を細かく分析したうえで苦手分野を徹底的に対策することで成績向上につなげます。

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