現在完了形とは?過去形との違いや現在完了形の4つの用法を徹底解説!【中2英語|高校入試頻出】

更新日:2024/01/24

2021年実施の学習指導要領改訂により、中学英語はより難しくなりました。英単語が増えたり、それまで高校で習っていた文法が前倒しされたりしています。中学英語の中でも大きなポイントになる「現在完了形」は、もともと中学3年生で習う単元でしたが,2年生に前倒しされた教科書もあります。
英語は、一度つまずいてしまうと巻き返すのが難しくなる積み重ねの教科です。今回は難所の一つである「現在完了形」をマスターしていきましょう!

目次

「“今”どうなっているか」が現在完了のポイント

次の日本語の文を見てください。

兄は昨日財布をなくした。

さて、兄は今その財布を持っているでしょうか? 答えは「持っているかもしれないし、持っていないかもしれない」です。交番に届けられていた財布を受け取ることができたのかもしれませんし、いまだに見つかっていないということも考えられます。
日本語の助動詞「た」はさまざまな意味を持つため、文脈がわからなければ、この文はいろいろな解釈ができるのです。

過去形と現在完了形の違い

一方、英語ではこれを明確に区別しています。次の2つの文を比べてみてください。

❶ My brother lost his wallet yesterday.
  兄は昨日財布をなくした。

これはおなじみ、過去形の文ですね。過去形は文字通り「過去の話」です。「あのときにこんなことがあったよ」と過去を振り返って述べているだけで、現在のことは何も触れていません。「兄が昨日財布をなくした」という過去の出来事を述べているだけですから、兄が今その財布を持っているかどうかは、この文からはわからないのです。

❷ My brother has lost his wallet.
  兄は財布をなくした。

これは現在完了形の文です。現在完了形は《have+過去分詞》で表します。現在完了形とは文字通り「現在形の1つ」で、過去の出来事が現在の状況に何らかの影響を及ぼしている場合に用います。あくまでも視点は現在にあり、この文は「財布をなくした結果、今(現在)も持っていない」ことを表しています。

haveは「~を持っている」という意味の動詞ですが、現在完了形のhaveにこの意味はほとんどなく、現在完了形であることを示す目印だと考えましょう。文の作り方のポイントは次の2つです。

・主語が3人称単数のときはhaveをhasにする。
 例 He has arrived at the station now.
   彼は今駅に着いたところだ。

・否定文や疑問文はhaveを中心に組み立てる。
 例 Have you ever seen a ghost?
   幽霊を見たことがありますか。
   My sister has not left home yet.
   姉はまだ家を出発していない。
   ※ do/does/didは使わない。動詞は原形にせず、過去分詞形のまま。

現在完了形の4用法と現在完了進行形

現在完了形は大きく4つの使い方(用法)に分かれます。
どれも共通しているのは、現在完了形の基本イメージ「過去の出来事が現在の状況に何らかの影響を及ぼしている」ことを表している、ということです。これを念頭に置いて、順番に見ていきましょう。

【完了用法】

My brother has already eaten lunch.
兄はもうお昼ごはんを食べた。

「現在までにある動作が完了した」ことを表します。「昼食を食べる」という動作はすでに終わった過去の出来事ですが、「だから今はおなかが空いていないだろう」「ランチに誘っても来ないと思うよ」とというような、現在の兄の様子を含めて伝える表現です。
過去形のMy brother ate lunch. は、兄が昼食を食べたという出来事を述べているだけで、現在の兄がどうなっているかはわかりません。

★ポイント《よく使われる修飾語》
already「すでに」 just「ちょうど」 yet「(否定文で)まだ・(疑問文で)もう」

【経験用法】

My brother has been to India once.
兄は1度インドに行ったことがある。

「現在までに経験がある」ことを表します。兄がインドに行ったという過去の出来事を述べているだけではなく、「その経験があるので現在の兄はインドについて詳しい」、あるいは「この経験は現在の兄の価値観・考え方に影響を及ぼしている」というような意味が含まれています。
「~に行ったことがある」はふつうhave been to ~ で表します

★ポイント《よく使われる修飾語》
once「1度」 twice「2度」 How many times「何回」
ever「これまでに、1度でも」 never「一度もない」

【結果用法】

My brother has gone to India.
兄はインドに行ってしまった。

「ある出来事が起きた結果、現在どうなっているか」を表します。この文は、「兄は今インドにいる」ことを示しています。過去形のHe went to India. では、兄が今もインドにいるのか、別の国に行ったのか、日本に帰ってきたのかはわかりません。

★ポイント《よく使われる修飾語》
修飾語をともなわないときは結果用法であることが多い。

【継続用法】

My brother has been sick in bed since last week.
兄は先週からずっと体調が悪い。

「ある状態が現在まで続いている」ことを表します。兄は今体調が悪く、それが先週から続いていることを表します。

★ポイント《よく使われる修飾語》
for「~の間」 since「~から、~以来」 How long「どのくらいの間、いつから」

【継続(現在完了進行形)】

My brother has been playing badminton for ten years.
兄は10年間ずっとバドミントンをプレーしている。

「ある動作が現在まで続いている」ことを表します。兄がバドミントンを始めたのが10年前であり、今も続けているということです。
「状態」の継続は現在完了形《have+過去分詞》、「動作」の継続は現在完了進行形《have been ~ing》を使うのが原則です。

これらの用法は、文脈や内容から判断できることもありますが、基本的には修飾語を見れば判別することができます。日本語に訳してみて、きちんと意味を確かめることも大切です。

実際の問題を解いてみよう

それでは、ここで問題を解いてみましょう。
問題を読み、解けたら「+」をタップ(クリック)して解答を確認してみてください。

問題

日本語に合う英文になるように、空所に適する語を入れなさい。
⑴ エリックは1度も和食を食べたことがない。
Eric ( ) ( ) had Japanese food.

⑵ 弟はちょうど宿題を終えたところだ。
My brother ( ) ( ) ( ) his homework.

⑶ ジムは2時間ずっとテレビを観ている。
Jim ( ) ( ) ( ) TV for two hours.

⑷ トムが日本に来て3年になります。
Tom ( ) ( ) in Japan for three years.

解けましたか?学校よりも速いペースでもっと先まで学びたい人も、苦手を効率的に克服したい人も、ぜひ一度栄光の授業を体験してみてください。

入試問題に挑戦!

神奈川県公立高校の入試問題です。

令和5年度神奈川県公立高校 入試問題 英語 問3(ア)より抜粋
問題をよく読み、解けたら「+」をタップ(クリック)して解答を確認してみてください。

問題

次の文の(  )の中に入れるのに最も適するものを,あとの1~4の中から一つ選び,その番号を答えなさい。
A:Tom, you speak Japanese well.
B:I(  )in Japan with my family for three years when I was a child.
1.lived 2. have lived 3. live 4. lives

現在完了形は早めにマスター!
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現在完了形はとても大切ですが、苦手になりやすい単元です。解けなくなってしまった、英文法が覚えられない、応用問題が解けないなどのお悩みがある方はぜひ栄光にご相談ください。

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