埼玉県の公立高校受験の仕組みを解説!近年の受験動向と受験のポイントは?
更新日:2024/06/11埼玉県公立高校の入試のポイントは、入学試験(学力検査)は一度きりだけど、合否判定は第1次選抜と第2次選抜の2回に分けて行われることだよ。
試験は1回なのに、2段階の選抜があるんですか?
そうなんだ。第1次選抜と第2次選抜とでは、学力検査点と調査書点の比率を変えて計算が行われるよ。
調査書も関係してくるんですね。
しかも、埼玉県公立入試は1年から3年の調査書点が対象になるから、気が抜けないね。
3年間!厳しいですね!
選抜のルールに関しては、計算方法などが難しいので、このあと一緒に確認してみよう!
先輩が「学校選択問題」を受けるって言ってたんですが、これはどんな問題なんですか?
埼玉県公立高校では、学校の判断で数学と英語のみ、応用問題を含んだ学校選択問題と標準的な内容を中心とする学力検査問題どちらを出すのか選択することができるんだ
応用問題がでるんですか...不安ですね。
応用問題といっても、中学校で習う以上の問題はでないから、きちんと勉強していれば解ける問題だよ。
今のうちに基礎をしっかり作って、苦手を克服しようね。
目次
埼玉県の公立高校受験の仕組み
埼玉県公立高校入試は、2月下旬に行われる1回のみです。ただし、合否判定は少し基準を変えた第1次選抜と第2次選抜の2段階で行うことになっています。学区による受験校の縛りはなく、県内のどこからでもすべての公立高校に志願できるため選択肢は多いですが、チャンスは一度しかありませんので、よく考えて受験校を選びましょう。気をつけてほしいのは、調査書には3年間の学習の記録などが記載され、重要な合否判定資料となることです。「中3になってから」ではなく、1・2年生のうちからしっかり勉強しておくことが大切です。
入試日程
令和7年度入学者選抜の学力検査日程は、令和7年2月26日(水)。一部の学校で行われる実技検査や面接は2月27日(木)です。
埼玉県公立高校入試の選抜方法
学力検査と調査書の得点を、学校ごとに決められた配点比率によって計算した総合成績で合格が決まります。学校によっては面接や実技検査などを行う場合もあります。
学力検査について
実施教科:国語・数学・社会・理科・英語
英語・数学は基礎~標準の問題で、難度は抑えられています。しかし、一部の難関校では英語・数学で応用問題を含む難度の高い学校選択問題を使います。志願者は難度の高い問題に対応する準備をしておきましょう。
※理数科、外国語科、人文科、国際文化科等では傾斜配点があり、特定の教科の配点が高くなります。
調査書
埼玉県公立高校入試では3年間の各学年の9教科の評定が利用されます。1年のうちから高校受験を意識して、毎回の定期テストはしっかりと準備することが必要です。
①学習の記録
いわゆる内申点のことです。各学年の9教科の成績を5段階評価した45点満点の評定合計を使用し、学校ごとに決められた各学年の比率で計算します。「1年:2年:3年=1:1:2」「1年:2年:3年=1:1:3」など、中3の成績を2倍や3倍にする学校が多くなっています。
②特別活動等の記録
学級活動、生徒会活動、部活動、学校行事などの実績や取り組みが記述されています。各学校が決めた内容で点数化されます。
③その他の項目
選択教科の学習の記録、特技、検定などの資格取得、ボランティア活動、出欠状況などの記録です。各学校が決めた項目を評価します。
実技
実施教科/芸術系学科など
面接
学校によって実施されるところもありますが、上位校ではほとんど実施されません。
埼玉県の公立高校は学校選択問題に要注意!
埼玉県公立入試問題は、一部の上位校では英語と数学で難易度の高い「学校選択問題」が利用されるため、基礎から応用まで確実に身につけることが大切です。
栄光ゼミナールでは、学んだことをしっかり反復し着実に習得していくことができるようカリキュラムを工夫しているので、土台となる基礎力がしっかり身につきます。また、10月以降の授業では、専用の教材を利用し、実践的な埼玉県公立入試対策に取り組んでいきます。本番に近い問題に挑戦していくため、学校選択問題にも対応できる力をつけられます。
埼玉県の公立高校で学校選択問題を実施する22校
県立浦和 | 大宮 | 浦和第一女子 | 市立浦和 | 浦和西 |
越谷北 | 越ヶ谷 | 熊谷 | 熊谷女子 | 熊谷西 |
春日部 | 所沢 | 所沢北 | 川越 | 川越女子 |
川越南 | 川口北 | 川口市立 | 蕨 | 不動岡 |
和光国際 | 市立大宮北 |
埼玉県公立高校入試の選抜ルール
第1次選抜と第2次選抜に分けて合格者が決められます(学校によっては第3次選抜まで行う場合も)。ただし、入学試験(学力検査)は1回のみです。
第1次選抜で定員の60~80%が、第2次選抜で残りの20~40%が選ばれます。どちらも学力検査の得点と調査書点、その他の資料(面接や実技検査などがある場合)の合計点数の上位から順に合格となります。学力検査点と調査書点の比率は各高校が決めます。第1次選抜と第2次選抜ではその比率を変えて、異なる観点から順位付けしています。
学力検査点と調査書点の比率
第1次選抜、第2次選抜ともに、学力検査点と調査書点をどの比率で計算するかは、以下の範囲内で各学校が決定しています。
第1次選抜は学力検査と調査書の配点がそれほど違わないバランス型。第2次選抜では学校の考え方によってどちらかをより重視して選抜できるようになっています。学校ごとにこの割合は違うので総合得点にも違いが出ます。
今の自分の実力がどのくらいなのか確認してみよう!
1・2年生のみなさんは今のうちに自分の実力を確認することで、行きたい高校へ行くにはどのくらいの調査書点が必要なのか、当日はどのくらいの点数をとらなければいけないのかが見えてきますよ!
総合得点の計算方法(例)
●学力検査点と調査書点の比率
(1次)6:4 (2次)7:3
●調査書①の比率
1年:2年:3年=1:1:2 ⇒ 45+45+45×2=180点満点
●調査書②③
それぞれ90点満点
※調査書点の満点は、①180+②90+③90=360 となる
●面接
実施しない
以下の得点の3人が同じ高校を受験した場合を例に、総合得点を計算してみよう。
調査書 | 学力検査 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
①学習の記録 | ②特別活動等 | ③その他の項目 | ||||
中1 | 中2 | 中3 | ||||
Aさん | 31/45 | 33/45 | 39/45 | 40/90 | 30/90 | 350/500 |
Bさん | 31/45 | 39/45 | 35/45 | 40/90 | 30/90 | 370/500 |
Cさん | 28/45 | 28/45 | 28/45 | 40/90 | 30/90 | 390/500 |
第1次選抜の計算例
まずは学力検査点と調査書点の比率から、調査書点に設定される満点を出します。学力検査は5教科500点満点で固定なので、6:4=500:334になり、調査書点の満点は334点の設定になります。ですが、実際の調査書点の満点は360点なので、334/360をかけて調査書の換算点を出します。この調査書の換算点に学力検査点を足した点数が総合得点です。
それでは、Aさんを例に実際に計算してみましょう!
Aさんの場合
①まず調査書の素点の合計点を計算する。
②次に調査書換算点を計算する。
③合否判定順位をつける総合得点を計算する。
同様にBさん、Cさんも計算してみると...
Bさんの場合
①まず調査書の素点の合計点を計算する。
②次に調査書換算点を計算する。
③合否判定順位をつける総合得点を計算する。
Cさんの場合
①まず調査書の素点の合計点を計算する。
②次に調査書換算点を計算する。
③合否判定順位をつける総合得点を計算する。
結果は、3人のなかで学力検査の成績が2番目だったBさんの総合得点が1番高くなりました。
合格を決めるのは学力検査の結果だけではないということがわかりますね。
第2次選抜の計算例
第2次選抜も第1次選抜と計算方法は同じですが、学力検査点と調査書点の比率が7:3になるので、総合得点が大きく変わります。学力検査は500点満点で固定なので、7:3=500:215になり、調査書点の満点は215点の設定になります。でも、実際の調査書点の満点は360点なので、215/360をかけて調査書の換算点を出します。
Aさんの場合
Bさんの場合
Cさんの場合
このように、第2次選抜のルールだと学力検査重視の学校では、学力検査の比重が高くなるため当日1番高い点数を取ったCさんの総合得点が1番高くなります。トップ校になればなるほど、第2次選抜では学力検査の点数割合を高くしていく傾向があるので、内申点・学力検査ともに気を配っていかなければいけません。志望校が第1次選抜と第2次選抜で、どのポイントを重視しているかをしっかりと確認しておきましょう。
埼玉では1年生から3年生までの調査書点が評価対象!
定期テスト対策がとても重要!
埼玉県公立高校入試の特徴は、調査書点が1年生から加点対象となること。1年生の段階で自分なりの定期テスト対策の時間の使い方、スケジュール管理の方法を身につけることが必要です。そのため栄光ゼミナールでは、定期テスト対策を毎週行い、自分なりの進め方を見つけられるよう指導しています。教室へお問い合わせ下さい。
埼玉県公立高校受験の近年の動向
全体の入試状況はほぼ安定 公立志望率は低下している
埼玉県公立高校では現在の入試制度が長く続いています。近年大きな変更もなく、受検生にとっては状況を把握しやすく、適切な志望校選びができる環境といえるでしょう。ただ後述する通り、2027年度に入試制度の変更が予定されています。
公立第一志望率はこのところ下がり続けていて、2024年度も前年度から低下して63.8% でした。埼玉県内の私立高校が総じて大学合格実績で結果を残していることや、また人口の多い県南地区では東京方面へのアクセスがよく、受験校として多くの私立校が視野に入ることが主な要因です。
トップ3校で低めの倍率に 川口市立、市立浦和は急落
県内トップ3の県立浦和、浦和第一女子、大宮は揃って倍率が下がり、いずれも1.3 倍前後と低めになりました。2025年度は反動があるものと想定して、トップ層の受検生は気を引きしめて臨みましょう。
川口市立(普通科)は2021~23年度にかけて1.71→1.81→1.93倍と高水準で倍率が上がりました。しかし、この高倍率を敬遠してか2024年度は受検生が急減し、1.26 倍に急落しました。2025年度はこの反動で倍率が上昇するかもしれません。
市立浦和は、例年高倍率になりやすい学校で、2022・23年度は2倍以上でした。2024年度は1.68 倍に低下しましたが、2025年度は再び高騰する可能性があります。
一方、市立大宮北はここ2年間1.1 倍未満の倍率で志望者にはありがたい状況でしたが、2024年度は1.35 倍に上昇しました。過去2年のような低倍率に戻ることを期待するのは禁物です。
2027年度、埼玉県公立入試が変わる
埼玉県の公立高校は、2027 年度(現中1が高校入試に臨む年)入試から選抜方法の変更が予定されています。その大枠は以下の通りです。
① 面接の実施…自己評価資料に基づき、すべての受験者に面接を行います。
② 調査書の形式…3年間の9科の評定を基本とします。また自己評価資料として、学校内外での活動内容等を受験生が自らの言葉で記します。
③ 選抜の特色化…「共通選抜」ではすべての高校が学力検査・調査書・面接を資料として選抜します。さらに募集定員の一部を「特色選抜」で選抜できます。ここでは特色検査(実技検査・小論文等)や学力検査等の傾斜配点も行うことができます。 変更点の詳細については、今後、教育委員会の発表を待つことになります。常にアンテナを張り、新しい情報を正確にキャッチしていきましょう。
栄光ゼミナールの埼玉県の公立高校入試対策について
栄光ゼミナールでは埼玉県公立高校入試に対応できる学力の養成と調査書点のための定期テスト対策をおこなっています。
埼玉の高校受験は調査書が大切!
栄光では定期テスト対策指導が充実しています。
埼玉県の高校受験では、1年生から3年生までの評定が調査書に記載され、得点化されます。1年生の1学期から評定を意識して、しっかりと準備をしておく必要があります。
毎週実施される「定期テスト対策」
栄光ゼミナールの中1・2の授業では、新しい単元を学習したあとに、定期テストに向けた学習を毎週実施しています。毎週取り組むことで、学校の学習内容の理解を深め、定着を図ります。また、試験直前になってから提出課題にあわてないように、日ごろから少しずつ進めることもできます。
定期テストで高得点を取るためには、計画・実行・振り返り・改善がとても大切です。毎週授業内で実施している定期テスト対策と併せて、定期テストに向けた学習計画を立てています。そして、その計画がしっかりと実行されているか、確認しながら授業を進めていきます。テスト終了後にはもちろん振り返りを行います。よい結果が得られていればたくさん褒め、課題があればそれを分析し次への改善に繋げていきます。
※栄光ゼミナールでは、法令に則り塾内で学校の定期テストを使用した授業や補講は実施いたしません。また学校の定期テストを複製することや配布することもしておりません。
確かな学力の定着で学力検査対策も万全です。
栄光ゼミナールでは学力検査で問われる5教科をバランスよく指導します。基礎から知識を積み重ねる着実な進め方で、学力検査に対応できる力を身につけていきます。
内容理解と知識の定着を着実に積み重ねます。
英語・数学・国語の3教科ではいま学んでいることが、その次の内容へとつながっていきます。栄光ゼミナールでは踏みはずすことなくしっかりと実力をつけていくために、知識の定着と内容の理解を丁寧に確認しながら授業を進めます。また、1年生、2年生の理科・社会指導にも力を入れています。埼玉県の高校受験では1年生からの成績が内申点にかかわるため、1回1回の定期テストを大切にすることが合格へのポイントです。栄光ゼミナールでは、部活動や学校行事などで忙しい中学生のために、対面授業のほかにZ会の教材を利用した「Z会通信教育コース」も用意しています。栄光ゼミナールの教師がスケジュール管理などをサポートするため、継続しやすく成果が出せます。
中1からのスタートダッシュを後押しします。
栄光ゼミナールでは中学校生活のはじめにスタートダッシュが切れるよう、小6の1月から中学生の単元の勉強を始め、高校入試を見据えた指導を行います。埼玉県の公立高校受験では3年間の調査書に記載されるため、早い時期から対策していくことが大切です。また、学力検査点で確実に点数を取るには、5教科を中心に応用力を含めた学力をつけることが必要です。合格力を強化する「栄光の森」や「難関選抜ゼミ」といった短期集中型のイベントを1・2年生のうちから実施することで、高校受験に向けて競争心や自信、やる気を引き出し、確かな学力を育てていきます。
入試本番の得点力を強化。特別講座を開設し、志望校別の対策
特別講座「埼玉県公立入試対策ゼミ」では、埼玉県の公立高校の入試傾向に特化した専用教材「県トレ」を使用し、高倍率の入試本番で与えられた時間内にミスなく最高点を出せるように指導していきます。さらに、「学校選択問題対策 3Days」講座にて、英語と数学の学校選択問題の出題傾向に特化した教材を使って、対策を行い万全な準備を整えていきます。また、「浦和・浦和一女・大宮高校合格ゼミ」も開設し、公立トップ校合格に向けた対策を行います。特別講座は複数教室合同で行うため、同じ目標を持つ仲間と刺激し合いながら勉強できます。
栄光の高校受験対策では都道府県によって異なる高校入試の制度や出題傾向、最新の受験情報をもとに、進路指導を行ったうえで目標達成に必要な学習プランを作成し、苦手対策、定期テスト対策、志望校対策も、講師が生徒1人ひとりに寄り添って指導します。少人数で発言や質問がしやすく、仲間と切磋琢磨しながら成長できるグループ指導と、先生と隣り合わせでわからないところや苦手を中心に、自分のペースで学習を進められる個別指導があります。自分に合った指導形態で合格に向かって効率よく学習を進めることができます。家庭学習指導にも力を入れており、志望校合格に必要な学習内容をご提案。また、模試の結果を細かく分析したうえで苦手分野を徹底的に対策することで成績向上につなげます。
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